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採血器具使い回しの刑事罰 [くらしと安全(交通事故その他)]

 最近、採血器具使い回しの件がニュースになっています。

 日頃私たちが信頼している医療機関で、このようなことがあるということは実に信じられないことでした。

 血液感染するウイルスの中には、HIVウイルスのように、感染すれば、その人の人生を大きく変えてしまうようなものがあります。もっとも、今日、HIVにしても、ちゃんとした治療を受ければ発症を長期間防げるなど、医療技術の進歩によって、きちんと正面から今の体の状態に向き合いさえすれば、どうにもならないというものではなくなりましたが。

以下、刑法より抜粋。
 
 
(業務上過失致死傷等)
第211条〔1項〕 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

 
 糖尿病の患者のための採血器具を使い回すことも、それを知ってやって病気や悪い症状を招くウイルスを他人に感染させたりすれば、この業務上過失致傷罪にあたります。
 
 「致傷」というのは、「傷害を負わす」という意味で、「傷害」とは「人の生理的機能を害すること、並びに身体の外形に重大な変更を加えること」とされていますので、例えば、ウイルスに感染させれば「生理的機能を害する」ことになるので、「致傷」にあたります。ケガを負わせたのと同じことになります。

 
 それにしても、安全意識、それから、暮らしの中での(患者さんなどの)安全に対する安心というものについて、責任ある立場の方はもっと相手の立場に立って考えてもらわなければならないことだと思います。そして、それは怠れば自分も刑事罰を受けるかも知れないのだ、という法律知識も確認しておいて欲しいものです。

 さて最近タクシーに乗ったら、「後部座席もシートベルトをお願いします」のステッカーがあり、昔と違ってちゃんとシートベルトが使えるようになっていました。以前の記事 http://h-m-d.blog.so-net.ne.jp/2006-07-14 から、この点では、日本の安全は進歩しているといえるでしょう。

 今回の採血器具使い回し騒動を機会に、より一層、みんなの安全意識を高まり、みんなが他人も自分も一度しかない人生を大事に生きられるよう配慮をしあうことをより大切にすることに繋がるよう願ってやみません。 
 
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コメント 4

shira

 シートベルトに関しては、こーゆーことを法規で定められないと守らないというのが私としては実に歯がゆいというか、社会が未成熟だなーとため息が出てしまうんですが。
by shira (2008-06-10 22:15) 

hm

shiraさん

 ナイス・コメントありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、要するに、死んでしまったら取り返しが付かない、というごくごく当たり前のことであって、なぜその基本のキがおろそかにされるんだろうーと思うこと多いです。
by hm (2008-06-11 13:32) 

ayu15

みなさん自分たちのお仕事の慣習みて、お客さんを危険な目にあわせることがないか、あらためてみてみるのもよさそうですねえ。

刑罰や監視強化や萎縮効果でなく、もう少し今より思い遣る気持ちが欲しいです。
by ayu15 (2008-06-28 08:35) 

hm

あゆさん

 そうですねーまったく。
 もし自分がお客の立場であったらどうだろう、という想像力こそがキーであるような気がします。
by hm (2008-06-30 15:59) 

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