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不動産の共有解消に関する法改正 [法律案内]

 「不動産の共有を解消したい」という相談・依頼は非常に多いです。

 特に、

 相続がからんで不動産(家や土地)が共有になっている。
 でも、それは当事者が望まない「共有」状態。
 どうにかしたい。
 共有者の誰かに買い取ってもらうか、第三者に売ってお金に代えて分配するか。
 あるいは、自分がお金を出して買い取るか。

という、こんな相談が寄せられます。

 この課題について、法改正があり、2023年4月施行の新ルールでは、特に相続があってから長年そのままになっていた不動産や、行方不明の共有者がいる不動産について、「共有解消」がしやすくなる新しい制度ができています。

 事務所HPのコラムでご紹介しました。
 
不動産の共有解消がしやすく~2021年民法改正~
 https://kobem-law.com/news/column/347/


 「共有」というのは、誰か一人で単独で不動産を所有している場合に比べて、不便な面があります。

 森林法違憲判決(1987年(昭和62年)4月22日最高裁判決)のなかで、最高裁判所は、

「共有の場合にあつては、持分権が共有の性質上互いに制約し合う関係に立つため、単独所有の場合に比し、物の利用又は改善等において十分配慮されない状態におかれることがあり、また、共有者間に共有物の管理、変更等をめぐつて、意見の対立、紛争が生じやすく、いつたんかかる意見の対立、紛争が生じたときは、共有物の管理、変更等に障害を来し、物の経済的価値が十分に実現されなくなるという事態となる」

ので、

 民法256条は、

この弊害を除去して、
「共有者に目的物を自由に支配させ、その経済的効用を十分に発揮させるため」

に各共有者に「共有物分割請求権」を認めた、としています。

 簡単に言うと、単独所有の場合と違って、共有はややこしく不便で、もめごとも起こりやすい、そうすると利用の妨げにもなるので、共有が嫌ならばやめられる権利を保障する必要がある、だから「共有物分割請求権」がある、ということです。

 こうして、民法では、各共有者が、「不便」「不自由」な共有を解消することができる仕組みになっており、「共有物分割請求訴訟」を起こすことによって、最終的には「共有の解消」ができます(これは法改正の前からです)。
 話し合いがまとまらない場合は、競売して、お金を分けることになります。

 価値ある不動産等であれば、訴訟等になれば、通常は「競売」の前により高値で売却してお金を分ける合意ができます。
 「競売」は一般に価格が低くなります。
 高く売れた方がいい、というのは各共有者の共通の利益だからです。

 遺産分割の場合も、多くは共通の問題の解決です。
 家を残して亡くなった親がいたとして、その子たちが相続によって共有になった家をどう分けるか?の課題です。
 
 現行法では、解決手段はあるのだけれども解決に時間がかかる要素もあって、解決への障害を除去すべく2021年改正がなされています。

 せっかくの不動産が、「望まぬ共有状態」によって塩漬けになること、ひどい場合は放置されて「空き地」等の管理ができなくなることは社会的な損失なので、法改正によって対策がなされているというわけです。

 2021年に、所有者不明土地の解消を目的に不動産登記法・民法が改正されたことの一環なのですが、この「不動産の共有解消をしやすく」の部分は非常に重要だと思っています。
 私も、活用できる場面があれば、積極的に取り組んでいきたいと考えています。
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