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「デジタル・ミニマリスト」(早川書房 カル・ニューポート) [読書するなり!]

 このところ、「繋がらない権利」について記事を書いていますが、これに通じる話です。



デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方 (ハヤカワ文庫NF)

デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方 (ハヤカワ文庫NF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2021/04/01
  • メディア: Kindle版



 
 気づけば、一日中スマホばっかりみている、ということが多くないでしょうか?

 「繋がらない権利」は、職場との関係でオフの時間を確保するという権利、自由の話です。
 
 しかし、職場との関係はオフでも、そのオフ時間をスマホばっかりみて暮らすことにならないか?
 放っておくと多くの人はそうなってしまいます。
 それは別に、個人の心がけが悪いからではありません。
 「アテンション・エコノミー」(注意経済)と言って、画面上で、どんどん人の注意を惹きつける仕掛け、それによって儲かるサービスに支配されているからです。
 私も使っている、Facebook、Twitterが代表例として本では挙げられています。

 ポイントは、「時間の使い方」で、自分が本当に幸せを感じられる時間の使い方は何だろう?ということ。
 もし、「スマホを一日中見ていたけれども、それが本当にやりたいことで、充実感、幸福感がある」のなら何の問題もないのです。
 が、スマホがなかった時代に比べて、「やりたいことが進まず、結局スマホをみて大半の時間を過ごしたけれども、空虚な感じだ」ということが増えているのではないか?
 それは、本当に自分がスマホやデジタルサービスを使うか使わないかを「選択している」のではなくて、「依存」させられているだけではないか?
 それにより結局、全体として人生の充実度が下がり、幸福感が低下していないか?
 こういうテーマです。

 「デジタル・デトックス」は、たとえば、まる一日など、一時的にスマホ等から離れることです。
 「デジタル・ミニマリスト」とは、常の暮らし方として、デジタルの利用をミニマムにするあり方のことです。

 Facebookに書き込んだら、「いいね」が増えていないかをチェックしてしまう、というような依存習慣をどうやったらやめられるか。
 方法論もいくつも紹介されています。Facebook、Messenger、LINEなどのサービスを仕事でも使っている人が、それをやめるわけにもいかないので、サービスの「よいところだけ」を活用するにはいかにすればよいか、を考える手助けになります。

 この本の一節に、
「デジタル・ミニマリズムの有効性を支えているのは、利用するツール類を意識的に選択する行為そのものが幸福感につながるという事実だ」
とあります。

 そうなんです。
 本当に、自分が最善と思ったものを「意識的に選択」できていれば、自己肯定感も上がるし、実際に悔いのない時間を過ごせる。
 これは、デジタルに限らず、仕事、勉強、趣味なんでもそうです。
 人に決められたわけでも、何かに流されたわけでもない。
 (できるだけ純粋に)自分でしたいと思って意識的に決めたことができているなら、それは幸せですよね。

 私は、このブログもそうですし、事務所HPやFacebook、Twitterでの発信が多い方だと思います。
 なので、デジタルツールのヘビーユーザーだと思います。
 
 考えてみると、
・ 記事などを書いている時間
・ そのために情報を収集している時間
は画面を見ていても、「有意義な時間」です。

 が、
・ いいね、やコメントが増えたかな と思って何度もチェックする時間
・ 単に暇つぶしのようにFacebookのニュースフィールドをスクロールする時間
・ 何かをしている最中に、スマホの通知が目に入ってしまい、意識をもっていかれる時間
は「良くないなあ」と思いながらも、ついついそうなりがちでした。

 後者の方を「自分でコントロールする」工夫が必要、ということです。

 この本を読みながらいくつか実践したことがあります。

1 ランチタイムに、スマホを持たずに外出する。
2 食事中はスマホをみえる位置に置かない。
3 外出中、移動中も、「電車に乗ったらスマホ」「タクシーに乗ったらスマホ」、「歩きながらでもスマホ」という癖になっていることに気づいた。
 → その癖をやめる。
   「スマホチェック」したくなったとき、意識的に「チェックしない」ようにする。
4 逆に「スマホチェック」する時間帯を決める。
  午前9時とか、昼食後とか、帰宅後すぐ、とか。
5 Facebook等の投稿をしても、次の「スマホチェック」時間まで「いいね」「コメント」を確認しようとしない。
 → 最初、反応を確かめたい気持ちがあるが、抑える。
   次の「スマホチェック」時間まで放置。
6 (屋内の活動として)スマホではなく、紙の本、テレビ画面で見るものを増やす。
  時間ができたら、体を動かして行うこと(片付けなど)をする。

 1週間くらいでこの本を読んでいましたから、この本のエッセンスを意識しながら、実際に上記のことにちょっとずつ取り組んでいます。
 
 ちょっとしたことなのですが、心も体も楽になり、頭がよく働くようになることに気づきます。
 一人で考えること、風やにおいを味わうこと、その場に集中することが人間にとっていかに大切かがわかります。 

 気づけば、日常の仕事、私の場合は訴訟等の案件の書面を書くこと、契約書を作ることなどもはかどり、「溜まっている仕事」がゼロになっています。
 ほんの1週間~10日の取り組みでの変化です。

 とはいえ、癖になっていることは簡単にはなくならず、気づけば、メールソフトの送受信ボタンを何度も押している、とか、そういうこともあります。
 まだまだ、改善の余地はあります。
 
 デジタル・ミニマムであること、本当に大切なことに集中すること。
 これは、今、多くの人にとって見つめなおすべき最重要なことです。
 自由業である私だから「デジタル・ミニマム」化しやすい、と思われるかもしれませんが、会社員や公務員、その他組織に属する人でも、その立場における「デジタル・ミニマム」を考えることは同様に可能です。
 「自分でツールを使うかどうかを選んでいる」ことが幸福であるというエッセンスは全く同じです。

 もし、職場などで、「人の集中を妨げる」「オフの時間を乱す」ツールの使い方が横行する環境になっているならば、今一度、「個人個人が、必要なことに集中できる」という価値に重点を置いた環境づくりを考えてみるべきだと思います。
 その価値と共通するのが、「繋がらない権利」(時間外の連絡を受けないという労働者の自由)の考え方です。
 「オン」の時間内の集中が非常に大切です。
 それには、「オン」の時間内に、できるだけスマホやPCから発せられる色んな通知に必要以上にさらされない(もちろん、リアルの人の声かけも同じですが)ことと、「オフ」の確保・真の充実によって「オン」の時間の集中力を高めることの両方が必要。

 私が今、関心があり、取り組みたいことの一つが、この「すべての人が、本当に大切なことに集中できる」環境づくりです。

 ともかく、この本は、この本に書いてあるとおりにするかどうかは別として、「本当に大切なこと」と「デジタルとの付き合い方」を考えるヒントになりますので、大変おススメです。
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