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「限りある時間の使い方」(オリバー・バークマン著) [読書するなり!]





 今年の夏の読書感想文はこれ!という一冊でした。

 私は、

time is moneyではなく、time is life

時間は交換価値ではなく、命、人生そのもの

と思っています。

 この本は、いわゆるタイムマネジメントや時間節約術の話ではありません。
 むしろ、時間をコントロールしようと思うと、時間のなさにいっそうストレスを感じる。これを、「制約のパラドックス」と表現して、この発想から自由になることを説いています。

 先日から、私は、人が「スマホに気を取られること」が幸せを味わうことの邪魔になること、そこから自由になることについて、

「繋がらない権利」
https://h-m-d.blog.ss-blog.jp/2022-08-04
https://h-m-d.blog.ss-blog.jp/2022-08-05

「デジタル・ミニマリスト」
https://h-m-d.blog.ss-blog.jp/2022-08-09

と題して記事を書いていますが、この本もそれに関係します。

 スマホだけではありませんが、何かに意識を乗っ取られながら時間を過ごすと、「意味のある体験」ができない。
 つまり、限られた時間をよく生きることができない、ことが述べられています。
 この本は、「ミシュラン星付きレストランでの最高の食事も、心がどこか別の場所にあれば、インスタントラーメンと変わらない。」としていますが、大変分かりやすいたとえです。
 さらにいえば、無意識レベルから集中した状態で味わえば、ミシュラン星付きでなくても、日常の食事でも美味しくなるはずだ、と私は思います。

 先日紹介した「デジタル・ミニマリスト」(カル・ニューポート著)は、SNSサービス業者の「注意を乗っ取る」仕掛けに主な原因があるという点に重点を置いていますが、この本は少し違う切り口から論じています。

 この本曰くは、

「敵は内部にいる。
 人の心のなかには、SNSに限らず、気を紛らわせてくれる何かを求める傾向があるようだ。」

として、それぞれの個人の心の傾向にスポットを当てています。

 自分自身が、「気を紛らわせてくれる何か」を求めるのではなくて、今この瞬間に注意を集中させるためにはどうすればよいのか?その心持の在り方に迫っています。

 この本は、いかなる時間も、何か「本番」のための「準備時間」ではなくて、その瞬間こそが「本番」であるべきだ、という考え方に立っています。

 私の解釈が入りますが、次のようなことです。 

 楽しいことでも成長につながることでも、やりたいことをいつかやろう、『でも今は何かの準備時間』という意識で過ごしていては、いつまでも『本番前の準備時間』が続くのみ。
 今日、今この瞬間こそが、『本番』。それが、受験勉強中とか部活の練習日であっても、それはそれで『本番』の時間であるべきだ。
 これは心の持ちようのことですが、「どうせ今は準備時間だ。」と考えて、真剣に、時間に向き合わないのは勿体ない、真正面からその時間に向き合えば在り方が変わってくるはず、ということだと思います。

 スマホ自体に、スクリーンを見ている時間を管理する機能も備えられるようになりました。
 テクニック的に、スマホ依存をやめる方法というのも大切です。
 が、それとともに、

心の「内側」がどうあろうとするのか
本心は、どのような時間の過ごし方をしたいのか

というこの点を、もう一度見つめなおすということが根本的に大切、というのはその通りだと思います。

 
 命そのもの、人生そのものというべき、何より大切な時間を、心から大切にする、そのための心持ち、勇気をくれる本です。
 誰に遠慮することなく、自分が本当に「大切にしている」と思う時間の過ごし方をしていいんだよ、と背中を押してくれる感じがします。

 そして、多くの人にとって、この本を読む『時間』がとても良い時間になるだろう、と思えます。

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