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バランスを取りつつ実現するということ~シュレッダー続 [くらしと安全(交通事故その他)]

 先日,シュレッダー事故について,安全を「子ども視点」で見直そうという記事を書いた直後のこと。

 友人と家で飲みながら話していると,ふと,

「でも,あのシュレッダーって,親が悪いとおもわへん?」

という話が飛び出しました。私は記事を書いたばかりだったので,えっ!?と思って聞いていると,その場にいる私以外はみんなそう思うとのこと。

 私は,

「だからと言って,それで済ませた場合,危険なものは危険なままになってしまうので良くない。」ということを述べましたが,みんな今イチすぐには納得できない,という様子。

 よく話してみるとこういうことでした。

・ シュレッダーなど機械はより安全である方がいいのは間違いない

・ 怪我をした子どもが可哀想である

という点は,私も含め全員一致でしたが,

・ マスコミの報じ方が,メーカーバッシングばかりで,一方的すぎて嫌になる

・ 親も気をつけよう,メーカーも気をつけよう,という風に言ってもらえれば,なるほどと思うが,事が起こってすべてを他人のせいにしようとする風潮になるのはいやだ

というのがみんなの意見でした。

 私は,それももっともだ,と思いました。また,「子ども視点」は,メーカーももちろん,当然親自身ももっと常日頃意識しなければ,と思うこと多々あります。

 私は,前の記事で書いたとおり,シュレッダーにしても「子ども視点」で安全への配慮をすべき責任がメーカーにはある,そのことを訴え社会を安全にしてゆくべきである,という考えには確信があります。

 そして,大きな利益をあげている大企業であれば,それ相応の重い責任を負わなければならないことも,訴え続けていくつもりです。

 しかし,それを実現するために,

勢いで,ただ声高に叫ぶ

ということだけでは,十分な共感が得られない場合があり,やはり,

問題点を的確に整理し,法律家らしいバランス感覚を維持しつつ,感情的ではなく,現代社会において,私たちみんなが,そして,人ひとりひとりが,より活き活きと生きるための知恵として,

「安全面で,もっとこのようにしていったほうがいい」

「事故があった場合で,こういう原因ならばメーカーに責任を認めなければならない」

ということを,誤魔化しなく,きちっと論理的に述べていかなければならない,ということを改めて思ったのです。


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コメント 7

robou

友人が以前勤めていた会社はシュレッダーメーカーでした。
で、その友人と一緒にいるときにこのニュースが流れたわけですが、
その際の意見は私も含めて、「子供の手の届くとこに置くなよー」ということでした。包丁、やかん、ライター、芝刈り機(!?)含め、日常生活には危険なものがいっぱいありますね。親が気を付けてあげないと、っていうのは勿論、大前提だと思います。近頃メーカーの不祥事が目立つせいか、確かに報道の仕方も一方的なところがあるかもしれませんね。
皆の言うように、全て他人のせいにしてしまうような報道スタイル、姿勢っていうのは、良くないと思います。
でも、無くなってしまった指があるわけで、そして切断されてしまった指は戻ってこない、という事実は誰に責任を問うたところで元に戻るものではありません。事件が起こってからでは、遅すぎる。という認識の大事さ。
何が起こるかわからないからといって、子供のそばにずっと親がいるわけにはきませんよね。国や企業が安全面を真剣に考慮する必要があります。
事件を起こした企業だけを叩く、というやり方は確かに共感を呼びにくいかもしれませんが、でも、必要なことだと思います。
他メーカーに、危機感を抱かせる、というメリットがあります。
きっちり安全設計していかないと、最終的に損する、ということ。
これが大事だと思います。
企業っていうのはやっぱり利益あげてなんぼ、ですから。
企業を甘やかしては、いけないと思いますね。
にしても・・・家庭での個人情報保護なら、手動シュレッダーぐらいで
よさそうなもんですが、これも風潮ですかねえ。。。と思ったのでした。
by robou (2006-08-29 11:02) 

hm

 個人情報に関しては,時代ですねぇ…。
 私は,依頼者の個人情報については神経質になりますが,自分の個人情報を考えたとき,今の時代シュレッダーくらいで守れるものでもない,という諦めの境地ですが…

 さて,子どもとシュレッダーですが…

 親というのも,もともと不注意なものなんですよね。私のような人間が親でもあるわけだから,これは断言できます。

>きっちり安全設計していかないと、最終的に損する、ということ。
>これが大事だと思います。

 本当にそうですよね。企業に対して,善悪を訴えていっても,それを何とも思われなければそれまでです。
 robouさん言われる社会の仕組みにしておくことが,私たち1人1人が,「子ども」をはじめ弱い立場の者も含めて,安心して暮らしてゆける世の中の「知恵」だと思います。
 
by hm (2006-08-29 13:06) 

okku

それでもやはり、メーカーより親の責任のほうが大きい事件だと思います。

「子供の視点」。それは確かに重要です。メーカーもそれを考慮して商品開発を行っていくべきだと思います。
しかし、その一方で、メーカーがそこまですべきなのか?と思います。

子供が使うものに関しては、もちろん子供でも理解できる説明なり取注なりが必須ですが、「子供の手の届かないところに・・・」云々の説明書のあるものは、やはり親の責任で使用すべきではないでしょうか?
今回の事件は、エレベーターやプールの事件とは異なります。
想定できない事故ではなかったはずです。「指詰め注意」なり「子供の手の届かない・・・」なり、表記されているんですから。その表記が小さいだとか、言う人もいますが、紙をあんだけバリバリ裁断する機会が何の危険もないなんて思ってたの、あんた?って感じです。

事が起きてからでは遅すぎる。なら、事前に親が教えましょうよ!
まだ小さ過ぎて教えられない?なら、そんなもん説明書にもあるとおり、子供の手の届くとこに置くなよ。
メーカーがメーカーがって言うけど、あんたは説明書をスミからスミまで読みました?自分の責任棚に上げてんちゃうのん?
そう思わざるをえません。
そんなこと言い出したら、大袈裟な話、どんな事件でも何かしらのメーカーや企業のせいになってしまうでしょ?物質社会なんですから!
タバコの火の不始末で火事を起こしたら、JT訴えるんですか?それとも燃えた羽毛布団を作ったメーカー?家建てた大工?消しきれなかった消防署?誰の責任にすれば気が済むん?

申し訳ありません、少し表現が荒くなってしまいました。

私には子供はいないので、実際に子供がいれば意見が変るのかもしれません。確かに切断された指は戻らないですし、親はそれだけでも充分に今後の子供の人生に対する責任を負うことになるわけですが、今回の事件に関しては、あまりにも腑に落ちない報道が多かったです。マスコミがただメーカーバッシングを楽しんでいるようにも感じられ、非常に不愉快でした。

親が!メーカーが!という論争の前に、マスコミの報道の仕方について見直すことが重要かもしれませんね。
by okku (2006-08-31 01:55) 

robou

>okku
>親が!メーカーが!という論争の前に、マスコミの報道の仕方について見直すことが重要

そうですね。近頃はインターネットで情報拾えるようになってきたし、
こうやって意見交換することも可能となってきているから
マスコミの報道を鵜呑みにする人間って少なくなってきたように思われますが、
でも、やっぱり影響は多大ですね。
JRの時にも感じた違和感だけど、叩きゃいい、ってもんでもないですもんね。
ただ、報道の仕方がまずかったからといって、企業も親も擁護されるってものでも、ない。これは純然たる事実であり、むしろ、報道の仕方で本来問題視されるべきことが見えにくくなってしまうこと、ってのが問題かと思います。
今回のシュレッダー事件の件で、私個人的に重要だと思ったことは、下記3項目です。

・親(大人)は、子供の手の届くところに危険なものを、置かない。
・企業は、子供のいる社会を想定したうえでの、ものづくりを要求されるべき。
・報道は、平等であるべき。

国を担っていく次世代の子供達が健全に、かつ安全に育つ社会というのは、
親と企業と国が一丸となって、築き上げていく必要があると思います。
他国の現状を知りませんが、現在の車社会、都市設計にしても、
完全に大人都合で作られた社会であって、子供に対しての取り組みが甘いように思います。
シュレッダーの件は、そういった社会全体での取り組みが必要だという議題の
投げかけ、発端に過ぎないかと思うのです。

まあ、それにしても、個人情報ってハサミでちょきちょきするぐらいで
いいと思うんだけどなあ・・・
クレジットカードとか携帯の明細とかでしょ・・・?
わざわざ電力消費して抹消せなアカン環境なんて、会社でもやってない限り
早々無いと思うねんけどなあ・・・
大体、ハサミって手間かも知れないけど、電力使わないし、
エコじゃない??
って振り出しに戻しすぎですね。失礼。
シュレッダー、会社に置いてるけど、私は指詰めかけたことがあります。
大人でも、注意が必要な代物です。え?私だけ??
by robou (2006-08-31 11:38) 

hm

>okkuさん>robouさん

 コメントしなきゃナーとおもいながら,法廷に出掛けました。
 が,帰ってきたら,robouさんが上手にまとめてくださっていたので,ほっとしました。
 okkuさん書き込み有り難うございます。
 okkuさんの意見の中で,プール事故等とは次元が違う,というのは全くその通りであり,同じトーンで報道しているように視聴者が感じるのならば,やはり報道の仕方にも問題があるようにおもいます。ただ,
 
 私の思い,願いは,それぞれの意見が,互いの立場を否定するのではなく,それぞれの視点で進歩的な方向に向かうこと,です。
 そういう活かし方ができれば…とおもいます。

親の不注意の観点 → そういう親が出ないためにどうするか?
        → 子育て雑誌社などが「こういう家庭用機器に注意」の啓蒙
           そもそも環境としての,子育て支援
          公共団体が行う子育て教室等の充実
          などなど

製品をより安全に,の観点 → PL法(製造物責任法)等の法的解決 
                   企業の努力,改良
                   消費者が安全を重視して購入する
                  などなど

 私も「叩くために叩く」ということは嫌いです。okkuさんのマスコミへの不快感はなるほどと思います。他の事柄でも,報道に対し,私自身そう思うことが多々あります。その意味で,okkuさんはご自分で「表現が荒い」と書いておられますが,私は決してそうではなく,むしろ,冷静で素直な意見だと受け取りました。
 一方で,ネット上での意見の中で,「私はこんなヘマはしない」という要は「バカじゃないの」という雰囲気での意見もあり,そういう「逆たたき」みたいなのは,市民の足の引っ張り合いであって,最も恐ろしいと思いました。
 そして,この問題だけでなく,okkuさんのいわれる,マスコミによるやや一方的な(ともすれば勢い任せの)情報伝達,世論形成のようなものこそ,確かに,現代社会で私たちが警戒すべきものだと思います。つまり,大切なのは自分の頭で考えること,ですね。
 
 世の中の発展の方向性を見据えて,理知的な情報伝達,議論が,テレビ上等でなされることを望みたいとおもいます。
by hm (2006-08-31 16:07) 

ゆう

>robouさん
>現在の車社会、都市設計にしても、
>完全に大人都合で作られた社会であって、子供に対しての取り組みが甘いよ>うに思います。

論点ずれますが、私もそう思います。
少年犯罪が増えてるというけど、助長してる一因かと。

>hmさん
私も、ほぼokkuと同意見で、酒飲みながら、言葉交わしてましたが、

>「私はこんなヘマはしない」という要は「バカじゃないの」という雰囲気での意見もあり,そういう「逆たたき」みたいなのは,市民の足の引っ張り合いであって,最も恐ろしいと思いました

これは怖い。ほんま怖い。問題はそういうことじゃない~!!
もっと社会全体、高め合っていければいいのに。
by ゆう (2006-09-03 01:23) 

hm

>ゆうさん
 
 書き込み有り難うございます。
 最近は,このブログも色々書き込んでいただいて,また,特に私と少し違った視点の書き込みも頂いていることが,活発になってありがたいことだ,と思います。

 つまり,色んな問題には,人によって色んな見方があるということ。

 色んな考え方が化学反応して,良いものがうまれる,そんなきっかけとなる場所になれば,ブログ主としてはこのうえもないことです。
by hm (2006-09-04 14:29) 

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