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未公開株詐欺 [消費者事件]

 みなさん,「消費者事件」ってご存じですか?

 あまりピンと来ないかもしれませんが(私も弁護士になるまで全然ピンと来ませんでした),要するに,業者さん相手としたお客さんのトラブルのことです。
 お客さんが無茶なことを言うというものは普通「消費者事件」として扱いません。
 業者の側に非があるのではないか,そのために,素人であるお客さんが不利なことになっているのではないか,と思えるものがふつう「消費者事件」といわれます。

 さて,今日の題材は↓
 
(本日のSo-netニュースより引用)
架空の未公開株話で数千万円詐取、ブローカー逮捕へ

 化学製品メーカー「大塚化学」などの持ち株会社「大塚化学ホールディングス(HD)」(大阪市)の架空の未公開株購入話を持ちかけ、投資家らから数千万円をだまし取った疑いが強まったとして、大阪府警は2日、東京都内の金融ブローカーの男2人について、詐欺容疑で週内にも逮捕する方針を固めた。

 関係者によると、投資会社を名乗る電話などで、同HDの名を挙げ「株が近く公開されるので、公開前に特別に紹介します」などと投資家らを勧誘する事案が頻発した。同HDはホームページで、「株の売買の外部委託は一切していない。上場予定も全くない」などと注意を呼びかけていた。

[ 03月02日 14時40分  ]         (以上,引用終わり)

 「未公開株詐欺」は最近流行です。
 当職は,詐欺も含む消費者事件を手掛けており,特に,先物取引などに関する事件を多く扱っています。その中で,去年あたりから「未公開株」が詐欺のネタ(?)として利用されるケースが目立ってきています。
 単純に言って,「確実な儲け話がある」と持ちかけられそれに応じたら騙された,という相談の事件が多いのです。
 そういった場合,事情をお聴きして,騙されたことが証明できるか,又は,少なくとも相手に法令違反があったことが証明できるという見通しが立ち,ある程度のお金を取り戻せるという見通しがたったならば,事件を引き受けております。
 その場合の多くは,全額といかずとも被害を回復しています。
 
 でも,私が思うのは,詐欺事件においては,お金をちょっとくらい取り戻しても抜本的な解決にならないということです。
 いや,目の前の依頼者に対しては,ちょっとでもお金を取り戻してあげられたら,と思ってやります。
 が,詐欺をはたらいた人間にとっては,ちょっとくらいお金を返しても何てことありません。社会的ルールを踏み外したことへの厳しい制裁が必要です。
 
 問題は,「詐欺」というのは,大抵は口先で騙された,という話。警察が立件するのも,要は「言った言わない」の話になると難しいです。
 その意味で,上のニュースは,警察がよくそこまで証拠固めを行い,捜査を尽くし,頑張ったんだな,と思い,感服しました。

 お金はだいじだよ~というCMがありますが,本当にお金は大事です。
 あんまり不必要にたくさんはいりませんが,日々お金の心配をしなくて済めば,気持ちに余裕が生まれて,生活の一つ一つを心から楽しめるでしょう。
 でも,もし詐欺で貯金を全部失ってしまった人は,将来の不安や人間不信から,当たり前の余裕や楽しいことを楽しむ心を失ってしまうのではないかと思います。
 
 そういう人の痛み,苦しみを考えずに,悪いことをする人は,信じられません。
 そういう被害が少しでも減るよう,私も微力ながら努力していきたいと思います。


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