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セカンドオピニオンその2 [弁護士業について]

 以前セカンドオピニオンについて書きました。
http://h-m-d.blog.so-net.ne.jp/2015-10-06

 セカンドオピニオン万歳ではなく、「注意点」を書いたものです。

 そうなのですが、この記事を書いてから、むしろ

「セカンドオピニオンになるのですがいいですか?」

という相談を頂くことが以前より増えました。
 一方で、「いかにもあちこち弁護士回りをしているな」というようなセカンド(?)オピニオンの相談は上記記事をアップしてからはほとんどありません。

 私自身、体の治療法のことなどで、医師の友人・知人などにセカンドオピニオンを求めることもあり、それが助けになっていることがよくあります。

 ですので、相談者の気持ちは分かるので、もともと

セカンドオピニオンを求められるのも歓迎する

という立場です。

 ただ、依頼者の元弁護士との関係について話を聴いても、

「必ずしも依頼者寄りの意見を言うとは限りません」
「むしろ、割合として、反対のことのほうが多いです」

というのが前回の記事でした。
 さらに言えば、セカンドオピニオンを求められた弁護士について、「よく知らないで簡単に人の仕事ぶりを悪く言う」というのは良くないこと、ということを書きました。

 そういう記事を読んで下さっている方で、そのうえで、「セカンドオピニオンいいですか?」と言って来て下さることについては、私はこう理解しています。

自分に都合のいいことを言ってほしいのではなくて、本当のこと(正直に思うこと)を言ってほしい

から来られるのだ、と。

 こういう意味での真剣な相談の場合、それが、弁護士のセカンドオピニオンに当たるかそうでないかと関係なく、相談を受ける側としては、求めておられるものに応えたい気持ちが自然と湧くものです。

 弁護士の場合は、医者の場合と違って、「言うことをきかなければ死ぬ」ということは滅多にありません。
 ですので、依頼者に迎合しようと思えばできるし、一時的な人気をとる(売上を上げる)ためにそういうスタンスをとることも可能でしょうが、それは誠実ではない、依頼者のためにも社会のためにもならない、と思っています。

 もちろん、人それぞれの状況があって、(正論であっても)本人にとって余りにキツいことをストレートに言った場合に耐えられる心境かどうか、というのがあります。
 それには配慮せざるを得ません。
 配慮するのですが、それでも、伝え方は工夫しつつも、本人さんにとって都合の悪いことも、伝える必要があるならばキチッと伝える誠実さは大切にしなければならないと私は思っています。
 
 実際には、「(弁護士が自分に)都合の良いことを言ってくれない」ということで、その依頼者が離れてしまう結果になることもあります。
 ただ、それはやむを得ないことです。どうしても相性もありますし、一定期間にわたって依頼者と信頼関係を続けられる状態になければ、その人の依頼事件をすることは現実的に不可能です。

 その反面で、「ときに厳しい見通しも言われることがある。でも自分のためを思って本当のことを言ってくれている」という意味で信頼して下さる(私の真意を理解して下さる)依頼者が多くおられること、そのことが本当にありがたい、と思っていますし、それには全力で応えたいと思っています。

                        神戸シーサイド法律事務所                             弁護士 村上英樹




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ayu15

考えさせられます。
まず医療で。
制度として出来ていなくて自費になります。病院側が点数減らされるため保険扱いいやがるから協力したがりません。
(保険制度がセカンドオピニオンに適合していません)

次に共通で
個人的に思うのは誰しも見落とすことがあります。
すべてに精通する人はいないと思えます。
セカンドオピニオンがいいのかは別として複数の人の見解をきくのもいいかと思えます。


本文で気になったのが「正論」の意味です。
うまく説明できないのですけどなんかひっかかるんです。

医療事故とか依頼人の苦痛はもっともだけど裁判おこすリスクとか??
(ハードル高い)
by ayu15 (2016-09-08 11:44) 

hm

ayuさん
 コメントありがとうございます。
 セカンドオピニオンは大切だと思います。
 ただ、信頼できる人に聞かないと意味がない(かえって危険)というところがポイントだと思っています。
 なので、やっぱり人とのつながりは大事にしないといけないなあ、と日々思うところです。

by hm (2016-09-29 16:43) 

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