勉強の話(続)~弁護士業を通じて感じることも
前回から、「勉強」の話を書いています。「青春を謳歌する…」の続きはまた追って。
なぜ、勉強の話を書きたくなったか、というと大きく2つ理由があります。
1 (今も昔もですが)多くの場面で子どもたちの勉強時間が長すぎるように見えるので、そこは上手く時間を使って、もっと遊んだり色んな経験をする時間をつくったほうがいい、という思いがあること
2 勉強は、学歴を得るということとは別に、それ自体が、大人になってからの生き方を楽にしてくれる力になること
からです。
1についてはある程度その意味のことを前回の記事で書いたので、2について説明します。
私は日頃弁護士としてトラブルを扱っているのですが、立場上当たり前ですが、その渦中にある人の苦しみの度合いをいかに小さいものにできるか、ということをいつも考えるわけです。
そのために、気を遣うということもありますし、それだけではなく、苦しみの度合いを小さくするために色んなアドバイスをしたり、説明をしたりするのです。
そういうとき、その「アドバイス」なり「説明」を早く正確に理解できる人は、早く楽になりやすいのです。
つまり、「薬の効き目がいい人」ということになります。
大人になって、次のような力、すなわち、
「数学」 論理的に物事を考える力
「国語」など 言語を正確に理解して使える力 人の言葉のニュアンスが分かる力
などを身につけていたら、たとえ、トラブルに見舞われても、弁護士だけでなく周りの人の力を上手く借りることができ、災難による「苦痛」を減らしやすい、つまり、生きやすい、ということになります。
ただ、勉強したほうがいいと言っても、「点数にアップアップ」という経験が多すぎると弊害があります。
「減点が恐い」癖が強くなりすぎると、大人になって、社会に出て、タイムリーに大切な一歩を踏み出すことができにくくなります。
大人になって、社会に出たときには、「減点」法よりも「加点」法で考えたほうが、いい場面が多くなります。
「点数主義」、特に「減点主義」にこだわることは学生時代に「卒業」しなければなりませんし、できれば、学生時代から「点数に追われる」状態を少なくした方がいいと思います。
学生に限りませんが、「時間の余裕」「心の余裕」は人にとって本当に大切なものです。
それがあるから、綺麗なものを綺麗だと感じられるし、美味しいものを美味しいと感じられるのです。
学生にとって「余裕」を奪われるきっかけになりやすいのが「勉強」です。
だから、「勉強」を上手くやる方法を多くの人に身につけてほしいのです。
やりかたを上手くして、「時間の余裕」「心の余裕」を自分で作ってほしいのです。
そして、少しでも「余裕」のある状態での勉強は、「追い立てられる勉強」と違って、大人になってからの「自分を楽にする力」になりやすいのです。
ところで時々、学生時代の学校の成績と、勉強で身につけたと思われる頭の働きの良さが比例していない人がいます。
こういうのは面白いタイプの人で、実は、ちゃんと「数学」「国語」など各教科のエッセンスは吸収しているのだけれども、テストのためにあくせくすることが嫌いとか意味が無いと思っていた、それでも進級や卒業できたので不都合がなかった、という人です。
こういう人は点数から見ると「追われて」いてもおかしくないはずなのですが、本人がプレッシャーを感じないので、のびのびと「勉強」して、点数はともかく各教科のエッセンスはちゃんと吸収していたりするのではないでしょうか。
「成績から見ても優等生」という人よりも、とらわれていない分だけ次元が高いのでは?とさえ思えたりします。
しゃべると頭の働きの良さがすぐ分かりますが、でも学校の成績は全然、という…
個人的にはこういう人は大好きです。
でも、これは人それぞれのキャラクターによるとしか言いようがなく、なろうと思ってなれるものではないので、一般論としてはテスト勉強は集中して勉強するいい機会と思って出来るだけがんばったほうがいいでしょうね。
ということで、
大人になって、弁護士が関係するような「トラブル」に見舞われたときでも、いや、苦しい場面でこそ、勉強して身につけた「力」は、必ず自分を助けてくれる力になるよ!
ということを学生、子どもの皆さんにはお伝えしておきたい、と思います。
それで、子どもたちの勉強が、そういう意味で有効な勉強になるように、なりやすいように、環境を整えていく責任が大人にある、と強く思っています。
神戸シーサイド法律事務所 弁護士 村上英樹
なぜ、勉強の話を書きたくなったか、というと大きく2つ理由があります。
1 (今も昔もですが)多くの場面で子どもたちの勉強時間が長すぎるように見えるので、そこは上手く時間を使って、もっと遊んだり色んな経験をする時間をつくったほうがいい、という思いがあること
2 勉強は、学歴を得るということとは別に、それ自体が、大人になってからの生き方を楽にしてくれる力になること
からです。
1についてはある程度その意味のことを前回の記事で書いたので、2について説明します。
私は日頃弁護士としてトラブルを扱っているのですが、立場上当たり前ですが、その渦中にある人の苦しみの度合いをいかに小さいものにできるか、ということをいつも考えるわけです。
そのために、気を遣うということもありますし、それだけではなく、苦しみの度合いを小さくするために色んなアドバイスをしたり、説明をしたりするのです。
そういうとき、その「アドバイス」なり「説明」を早く正確に理解できる人は、早く楽になりやすいのです。
つまり、「薬の効き目がいい人」ということになります。
大人になって、次のような力、すなわち、
「数学」 論理的に物事を考える力
「国語」など 言語を正確に理解して使える力 人の言葉のニュアンスが分かる力
などを身につけていたら、たとえ、トラブルに見舞われても、弁護士だけでなく周りの人の力を上手く借りることができ、災難による「苦痛」を減らしやすい、つまり、生きやすい、ということになります。
ただ、勉強したほうがいいと言っても、「点数にアップアップ」という経験が多すぎると弊害があります。
「減点が恐い」癖が強くなりすぎると、大人になって、社会に出て、タイムリーに大切な一歩を踏み出すことができにくくなります。
大人になって、社会に出たときには、「減点」法よりも「加点」法で考えたほうが、いい場面が多くなります。
「点数主義」、特に「減点主義」にこだわることは学生時代に「卒業」しなければなりませんし、できれば、学生時代から「点数に追われる」状態を少なくした方がいいと思います。
学生に限りませんが、「時間の余裕」「心の余裕」は人にとって本当に大切なものです。
それがあるから、綺麗なものを綺麗だと感じられるし、美味しいものを美味しいと感じられるのです。
学生にとって「余裕」を奪われるきっかけになりやすいのが「勉強」です。
だから、「勉強」を上手くやる方法を多くの人に身につけてほしいのです。
やりかたを上手くして、「時間の余裕」「心の余裕」を自分で作ってほしいのです。
そして、少しでも「余裕」のある状態での勉強は、「追い立てられる勉強」と違って、大人になってからの「自分を楽にする力」になりやすいのです。
ところで時々、学生時代の学校の成績と、勉強で身につけたと思われる頭の働きの良さが比例していない人がいます。
こういうのは面白いタイプの人で、実は、ちゃんと「数学」「国語」など各教科のエッセンスは吸収しているのだけれども、テストのためにあくせくすることが嫌いとか意味が無いと思っていた、それでも進級や卒業できたので不都合がなかった、という人です。
こういう人は点数から見ると「追われて」いてもおかしくないはずなのですが、本人がプレッシャーを感じないので、のびのびと「勉強」して、点数はともかく各教科のエッセンスはちゃんと吸収していたりするのではないでしょうか。
「成績から見ても優等生」という人よりも、とらわれていない分だけ次元が高いのでは?とさえ思えたりします。
しゃべると頭の働きの良さがすぐ分かりますが、でも学校の成績は全然、という…
個人的にはこういう人は大好きです。
でも、これは人それぞれのキャラクターによるとしか言いようがなく、なろうと思ってなれるものではないので、一般論としてはテスト勉強は集中して勉強するいい機会と思って出来るだけがんばったほうがいいでしょうね。
ということで、
大人になって、弁護士が関係するような「トラブル」に見舞われたときでも、いや、苦しい場面でこそ、勉強して身につけた「力」は、必ず自分を助けてくれる力になるよ!
ということを学生、子どもの皆さんにはお伝えしておきたい、と思います。
それで、子どもたちの勉強が、そういう意味で有効な勉強になるように、なりやすいように、環境を整えていく責任が大人にある、と強く思っています。
神戸シーサイド法律事務所 弁護士 村上英樹
2016-05-13 11:23
nice!(2)
コメント(2)
トラックバック(0)
「 「国語」など 言語を正確に理解して使える力 人の言葉のニュアンスが分かる力 」
これはどうすればいいのでしょうか?
日記(ブログ)始めた動機がちゃんとまとまっていて人に読んでもらえる文を書けるようにと思ったからです。
歯磨きのようにこつこつやっていますけど、ちゃんと伝えたり受け取ったりが不十分だなあと思うことがあります。
気にしています。
by ayu15 (2016-06-24 10:07)
ayuさん
コメントありがとうございます。
言葉は誤解も生みますよね。ある程度しょうがないと思います。
できれば、「言葉尻」ではなく、文章の流れなどをよく見て書いている人の心に近づきたいものですね。
by hm (2016-06-28 11:59)