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いいこと言う!ホリエモン~夏の読書感想文 [読書するなり!]

 学生、生徒の皆さん。夏休みの宿題は終わりましたか?
 
 やはり、読書感想文、残っている人が多いでしょうか?

 さて、私の夏の読書感想文、これ。

 堀江さんの本を読んだのは初めてですが、実に、本質をつく記述が多く、(本当に意外にも、失礼、堀江さん)ためになりました。

 私からすると根本的な価値観が違う部分はあるのです。しかし、価値観の部分を離れて、それ以前の、物事の本質をストレートに捉えて、(いわれてみればごく当たり前という)論理的・本質的な記述をしておられるところは、本当に感心しました。


金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?

金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?

  • 作者: 堀江貴文
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 で、私は仕事の中で「投資」被害などに関わってきたので、堀江さんが、Q&Aコーナーで、「投資」「資産運用」で回答しておられることを紹介します。

(引用)

Q よく「貯金はしない」とメールや著書等で述べられていますが、「一般人が貯金するお金で株などの投資をしてきた」ということでしょうか。もしそうなら、資産運用を始めた時期と、その時行った運用の種類(投資信託など)をぜひ知りたいです。

A 私が「貯金はしない」というのは、稼いだお金を意識的に貯蓄にまわさないということで、使い切れなくて貯金で貯まっているお金はもちろんありますよ。
 で、いわゆる普通の資産運用は大して儲からないので、基本的に手元流動性で必要な額以外は新規事業投資に全部まわします。新規事業は自分でやることもあるし、別の人に任せることもあります。これが一番期待リターンが大きいですね。
                                                        (引用終り。太字下線は村上による。)

 要するに、自分自身は、銀行や証券会社に任せて運用するという資産運用は基本的に得策と考えていない、というようです。

 自分で事業をやって増やす方が良い、という大変明快な考え方です。

 次いきます。

(引用)

Q 会社員35歳です。3年後に独立する予定です。現在の会社は10年在職しているので住宅ローンが簡単に組めますが、これから先は難しいということもあり、今のうちにマンションを買おうか悩んでいます。たまたま、都心に一人暮らし用のマンションが売り出していて立地的にも資産形成するうえでもメリットがあると思いますが、転職・独立という不安定な時期に住宅ローンを組むのはどうなのか?というのもあります。
 堀江さんは賃貸派かとは思いますが、現在のこの状況で買うべきか、買わないべきかアドバイスをお願いします。

A てか、そもそもなんでわざわざ不動産という固定資産に、現金のような流動性の高い資産からチェンジしようとするのかが理解不能です。おそらく、不動産は値上がりするとでもおもっているのでしょうか?ファンダメンタルズで言えば、高齢少子化日本では経済発展は見込めず不動産が大幅に値上がりする要素はあまりありません。
 そもそも資金力に乏しい個人が大手の不動産取引業者に勝てるはずもなく、本当の優良物件はあなたのような一介の個人のところにまわってくるわけがありません。
 お金を使ってしまうのが嫌で貯蓄したいのなら、普通に定期預金でもしていたほうがマシだと思いますよ。

                                                    (引用終り。太字下線は村上による。)

 全く同感です。
 
 金儲けの「極」にいるような堀江さんがこのようにズバッと言い切ってくれることは、大変心強いです。

 堀江さん自身は、金儲けOK(これは村上も同意)というのはもちろんのこと、そのための手段の選択について、私(村上)は間違っていると思うことでも「別にいいんじゃない」という感覚でこの本も書かれているように思いますから、私と価値観において大いに違いがあります。

 ですが、「金儲け」そのものについて、儲からないものは儲からない、とハッキリ言っています。その点で、誠実な方だと思います。
 ここが、普通の経済本と随分違うところです。
 「金儲け」社会の本質(おそらく堀江さん自身分かっているであろう、その「破綻した」あるいは、そもそもの矛盾を抱えた本質)に言及することにも、全く躊躇いがありません。
 
 
 投資被害、投資トラブルは後を絶ちません。(もちろん、ライブドア事件は大トラブルでした。)
 
 だから、資産をお持ちの方には、ぜひ、堀江さんの本を読んで、堀江さんの本音、堀江さんの語りから垣間見える「金儲け」社会の本質を知って、資産運用について考えてみていただければ、と思います。

 
 自分が投資しようとしているもの(株でも、投資信託でも、デリバティブ商品、仕組債…でも)が、

「本当に自分の得になる仕組みになっているか(なるはずがあるか)」

「誰か他の人が得をするようにできているのではないか(そういう風に設定されているのではないか)」

「内容をわかっているか」

「本当に買わないといけない必然性があるか」

ということを、じっくり考えて頂ければ、と思います。

 
 「いつ買うの?今でしょ」というノリに対しては、「そもそも、いつまでも買わないという選択肢がある」ことを忘れないで下さい。

 そして、ホリエモンおすすめは「普通に定期預金」であることを覚えておかれたほうがいい、と思います。


 その他でも、

「金持ちってなろうと思ってなれるもんじゃない気がする。お金持ちというのは、あくまで結果。」

「『文系だから知りません、できません』というのは単なる言い訳。」

などなど、本当にそうだなあ、と思う記述がたくさんでした。

                                       村上英樹(弁護士、神戸シーサイド法律事務所
 
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心如

 お金があれば、たいていのものは手に入ります。そういう意味で、お金は無いよりもあったほうが間違いなく便利なのは事実です。
 問題なのは、お金は何かを購うために必要な手段であって、それを目的として生きるのは如何なものかという点です。
 あればあるほど便利ですが、無ければ無いなりに工夫次第で楽しく暮らす方法があります。手段を目的化し、お金に振り回される人生なんて嫌だというのは、負け惜しみかも知れませんが。、、
by 心如 (2013-08-10 16:20) 

hm

shiraさん ナイスありがとうございます。

心如さん 
 ナイス・コメントありがとうございます。
 全く同感です。
 本心はお金に振り回されたくないのに、振り回されるように仕向けられることに、個人も、団体も、国家も(先進国の政府でさえ)、悩んでいるのだと私は思います。
by hm (2013-08-19 09:43) 

ayu15

うちの日記の最初にあつかったのはおかねです。

おかね2   http://blog.so-net.ne.jp/life-ayu/2007-07-09-2
おかね1   http://blog.so-net.ne.jp/life-ayu/2007-07-09-1


おかねの権化???ともいわれるホリエモンさんの書かれたことだと説得力ありそうですね。


人のためにできたはずのおかねがいつしか人に牙をむくこともおきています。


文学では江戸時代に初めておかねが無いのが理由で自殺に追い込まれる人が登場したそうです。



情報もおかねも独り歩きしてもう誰も制御できない(ホリエモンさんでも、アメリカ大統領でも)と思います。

by ayu15 (2013-09-12 14:41) 

hm

ayuさん

 全くその通りですね。アメリカ政府でも、実際、お金の一人歩きに手を焼いています。
 これにどう対処すればよいか?まさに20世紀以降ずっとの難題ですね。
by hm (2013-09-17 18:04) 

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