「売りすぎ」はそれだけで解除の対象に!~平成20年特商法改正より [消費者事件]
昨日は弁護士会の消費者被害問題の研修会に行ってきました。
昨日勉強した中で、皆様にご紹介したい話を下に。
過量販売解除 「売りすぎ」はそれだけで解除の対象に!
平成20年の特定商取引法の改正によって、お年寄りを狙った次々販売(高い布団を必要以上に何組も売りつけるなど)の悪質商法に、法律による新しい対策がなされるようになりました。
それまでは、不当にたくさん買わされた契約をなしにしようと思っても、
錯誤 (民法95条)
詐欺、脅迫(民法96条)
大事な点についてうそを言われた等の事情(消費契約法)
などの場合しか、契約をなしにはできませんでした。
そして、騙された等の話は、結局「言った言わない」の話になり、裁判に訴えても、証明が難しいとされ、なかなか詐欺の事実などを認めてもらえないケースが多かったのです。
しかし、このたびの改正後の特商法9条の2 1項1号によれば
その日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品・指定権利を販売した
場合などは、どういうセールストークがあったかという問題は全く関係なく、契約の解除が認められる(契約締結後1年間)ようになったのです。
何せ、悪質商法は跡を絶ちません。
交通手段が便利になり、田舎町にでも、どこへでも、金になりそうならば、都会から悪いやつらがやってきます。
また、いろんなライフスタイルがあるので、お年寄りの一人暮らしなども増えているのでしょう。
本当は、消費者を保護する法律がどんどん強化されていくような必要がなければ、それに越したことはないのですが、悪いやつらにお年寄りがカモにされてしまう現状に対して、今回紹介したような法律の手当ては相当に有力だと思います。
私が日ごろ思うのは、ほとんど詐欺としか言えないような「儲け話」悪質商法などについての、
我が国の治安が悪すぎる
ということです。
これは、ある意味では、警察・検察の人的な体制等からして仕方ない面もあるのでしょうが、
「窃盗」の場合は、100円のパンを盗っても、殆ど、立件される
のに対して
「詐欺」の場合は、100万円の詐欺でも、立件される割合はわずか
ということにあらわれています。
もちろん、後者の「詐欺」のほうが、金額の点においても、知能犯である点においても、悪質性は大、大、大ですが、それでも、立件される割合は低い。
ここに問題の根っこに近いものがあると思います。
話は少し変わります。
貸金業法改正によって主婦などがお金を借りにくくなる、ということから、この改正をすれば「ヤミ金が跳梁する」などと批判する人もいます。
しかし、これは、議論が本末転倒です。
すなわち、ヤミ金は犯罪です。明らかに取り締まりの対象です。
犯罪の出現が怖いから、本来あるべき姿(庶民が身の丈を超えて借金をすることのないようにする)を歪めて、無理な貸金を許容するのは間違いです。
単に、ヤミ金を厳しく取り締まればよいのです。
同じことは、貸金業改正問題にとても熱心であった後藤田正純議員(水野真紀さん夫)がテレビでも強く述べておられました。
ちゃんと法にのっとって処罰されれば、ヤミ金業は割にあわなくなるので、誰もやらなくなります。
何の事件とは言いませんが、警察・検察は、私から見て、そこまでするか?というくらいに、妙に厳しく熱心にやるときもあります。
しかし、「儲け話」詐欺商法のような、殆ど誰もが悪い、許せないと思うような事件に対してはどうか?
もっと優先順位を高くして、やってくれても良くない!?と私は思います。
悪質商法の跋扈、これは「治安」の問題、というのが私の意見です。
昨日勉強した中で、皆様にご紹介したい話を下に。
過量販売解除 「売りすぎ」はそれだけで解除の対象に!
平成20年の特定商取引法の改正によって、お年寄りを狙った次々販売(高い布団を必要以上に何組も売りつけるなど)の悪質商法に、法律による新しい対策がなされるようになりました。
それまでは、不当にたくさん買わされた契約をなしにしようと思っても、
錯誤 (民法95条)
詐欺、脅迫(民法96条)
大事な点についてうそを言われた等の事情(消費契約法)
などの場合しか、契約をなしにはできませんでした。
そして、騙された等の話は、結局「言った言わない」の話になり、裁判に訴えても、証明が難しいとされ、なかなか詐欺の事実などを認めてもらえないケースが多かったのです。
しかし、このたびの改正後の特商法9条の2 1項1号によれば
その日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品・指定権利を販売した
場合などは、どういうセールストークがあったかという問題は全く関係なく、契約の解除が認められる(契約締結後1年間)ようになったのです。
何せ、悪質商法は跡を絶ちません。
交通手段が便利になり、田舎町にでも、どこへでも、金になりそうならば、都会から悪いやつらがやってきます。
また、いろんなライフスタイルがあるので、お年寄りの一人暮らしなども増えているのでしょう。
本当は、消費者を保護する法律がどんどん強化されていくような必要がなければ、それに越したことはないのですが、悪いやつらにお年寄りがカモにされてしまう現状に対して、今回紹介したような法律の手当ては相当に有力だと思います。
私が日ごろ思うのは、ほとんど詐欺としか言えないような「儲け話」悪質商法などについての、
我が国の治安が悪すぎる
ということです。
これは、ある意味では、警察・検察の人的な体制等からして仕方ない面もあるのでしょうが、
「窃盗」の場合は、100円のパンを盗っても、殆ど、立件される
のに対して
「詐欺」の場合は、100万円の詐欺でも、立件される割合はわずか
ということにあらわれています。
もちろん、後者の「詐欺」のほうが、金額の点においても、知能犯である点においても、悪質性は大、大、大ですが、それでも、立件される割合は低い。
ここに問題の根っこに近いものがあると思います。
話は少し変わります。
貸金業法改正によって主婦などがお金を借りにくくなる、ということから、この改正をすれば「ヤミ金が跳梁する」などと批判する人もいます。
しかし、これは、議論が本末転倒です。
すなわち、ヤミ金は犯罪です。明らかに取り締まりの対象です。
犯罪の出現が怖いから、本来あるべき姿(庶民が身の丈を超えて借金をすることのないようにする)を歪めて、無理な貸金を許容するのは間違いです。
単に、ヤミ金を厳しく取り締まればよいのです。
同じことは、貸金業改正問題にとても熱心であった後藤田正純議員(水野真紀さん夫)がテレビでも強く述べておられました。
ちゃんと法にのっとって処罰されれば、ヤミ金業は割にあわなくなるので、誰もやらなくなります。
何の事件とは言いませんが、警察・検察は、私から見て、そこまでするか?というくらいに、妙に厳しく熱心にやるときもあります。
しかし、「儲け話」詐欺商法のような、殆ど誰もが悪い、許せないと思うような事件に対してはどうか?
もっと優先順位を高くして、やってくれても良くない!?と私は思います。
悪質商法の跋扈、これは「治安」の問題、というのが私の意見です。
2010-06-29 15:30
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少し話題から逸れますが、施政者や雇用者の違法行為はなかなか逮捕立件されないのに、市井の人間はそれこそ100円の盗みでもすぐ立件されるというのは、リクツの上では(線引きが難しいとか)やむを得ないとは思うんですが、割り切れないものを感じもするのですよ。
by shira (2010-06-29 22:20)
shiraさん
ナイス、コメントありがとうございます。
仰るとおりで、やっぱり、「(実際上の)立件しやすさ」という要素が、現実にはかなりのウエイトを占めてしまう結果、そのようになってしまいます。
そのあたり、当局も、社会的な意義を判断して(というのが、政治的な考えを入れてというのではなく、真に、法の趣旨を実現する意味で)、組織的な力の配分を柔軟に行えたらよいのに、という気もします。
by hm (2010-06-30 10:32)
わりきれないですねえ・・・。
by ayu15 (2010-07-01 09:20)
ayuさん
ナイス・コメントありがとうございます。
警察も、できるだけ弱者を守る存在であって欲しいですが・・・
小父蔵さん
ナイスありがとうございます。
by hm (2010-07-02 09:59)