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心の再生とはどういうものか~映画「ユリイカ(EUREKA)」

 
EUREKA ユリイカ

EUREKA ユリイカ

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



 死傷者が出たバスジャック事件で心に傷を負った車掌(役所広司)と少年少女(宮﨑将、あおい)が、共同生活をしたり旅に出ながら、じっくりと心を蘇らせてゆくストーリー。

 私も事件事故、つまり人にとって重大な出来事が起こったあとの紛争解決に関わることが多い中、「心の傷から人がどうやって立ち直るのか」というプロセスについては考えることが多いです。
 自分の弁護士として本来的にしなければならない業務と、その人の心の傷が正しく落ちついてゆくこととが、必ずしも一致しないこともあると感じることもあります。
 また、依頼者に求められた場合であっても、弁護士が力を貸すことで、余計悲しみや苦しみにエネルギーを注ぎ込んでしまっていることもあるのではないか、という迷いが生じることもあります。
 ハッキリ言って、何が一番いいのかは、人によっても違うし答えのない問題でしょう。

 この映画は、人の心の奥底に必死に迫ろうとする作品で見応えがありました。
 3時間半ととてつもなく長いのですが、「じっくりと迫る」というスタンスなので、引き込まれます。
 
 PTSD(心的外傷)とはどのようなものか、どのようにつきあうか、治癒していくのか、または、治癒が困難を極めるときどのようなことが起こりえるのか、ということについて、深い部分に迫っていく。

 日頃、幸いにして平穏に暮らせている人(私含めて)も、もし自分(や家族、恋人等)が事件・事故に遭遇し大きな心の傷を負ったら?という想像力とともに、この映画(DVD)を見てみたら得るところが大きいのではないか、と思ったオススメ映画です。
 
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コメント 2

ayu15

いつ誰がなんの被害にあうかわかんないし、病気・事故にあうかもしれませんね。
生活保護とか金銭支援・制度は行政にお願いするにしても、社会が苦しんでいる人をやさしく包み込めるようにもう少しなればと思います。


by ayu15 (2008-12-31 12:21) 

hm

AYUさん

 コメントありがとうございます。
 
 本当にそうです。

 自助努力とか自己責任、だけではどうにもはじまらないことがたくさんあります。

 ayuさんの言われる、人を見捨てない社会、やさしく包み込める社会を少しずつ実現していきたいものですね。
by hm (2009-01-06 16:21) 

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