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マルチ商法・ネットワークビジネスはなぜいけないか [消費者事件]


「民主・前田議員が離党・不出馬の意向…マルチ業者問題 」 のニュース

http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=pol&aid=20081016-570-OYT1T00023




 ちょっと検索した中で分かりやすかったサイトを参考までに挙げておきます。
 
 福岡県消費生活センター
 http://www.shouhiseikatsu.pref.fukuoka.lg.jp/seikatsu_info/jirei/2007/j20070200_12.html
 国民生活センター
 http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20061108_2.html


 私も、随分前のことになりますが、ちょっと知り合い程度の若い人から、突然150万円貸してと言われ、お金は「あげても貸さない」主義の私からすれば問答無用に断るつもりでしたが、興味でなぜか聞いてみたら「ネットワークビジネスをしたい。年間何千万も儲けている人がいる。1年で利息も付けて返すから。」と言うことで、即刻「借金して、そんなことするもんじゃないよ。」と断ったことがありました。
 こういうの随分よくある話です。

 マルチ商法。ネットワークビジネス等の呼び名の場合もありますが大体同じです。
 多くは健康食品、化粧品。 

 顧客として、商品を買うだけなら問題ありません。もちろん。

 さて、問題は販売員になった場合。
 販売員は、誰か別の販売員(親みたいなもの)に勧誘されて販売員になります。そして、その場合、「親販売員」には会社から報酬(お金)が入ります。
 販売員になった場合に、大抵は、販売員である資格を得るためにお金を払う必要があります。問題は、その最初に払ったお金の元が取れるかどうか、です。
 販売員になって、商品を売るだけで、最初に払ったお金の元が取れる場合はさして問題ありません。

 でも、実際は、私が借金を申し込まれた例のごとく、150万とか、それほどでなくても20万とか30万というような金額を初期に払わなければならないケースが多いのです。
 その場合、販売員として商品そのものをコツコツ売ってそのマージンだけでは「ン十万」の元を取るのは難しいわけです。
 販売員といっても、もとはただの素人で、店舗もなければ、家族・友人・知人に商品を売ることしかできないのですから、範囲は知れています。
 ということで「ン十万」を回収しようとすれば、商品を売るだけではダメで、新たな「子販売員」を誘い込んで、それによって会社から報酬を得なければ、普通は無理です。

 そう言う仕組みだからこそ、

会社-「ご先祖」販売員-「祖父母」販売員-「親」販売員-販売員(あなた)-「子」販売員-「孫」 -「ひ孫」-

となっていかなければ元が取れないという仕組みなのです。

 ということで、こういうネットワークが築かれてゆく、自然と…
 
 しかし、ここでいう「自然と」は「やむにやまれず」なわけです。

 それから、このネットワークの中にいる人物が、新たな販売員を苦もなく開拓できる「押しの強い人物」ばかりだったら、どんどん本当にどこまでも続いていくわけです。
 そして、「押しの強い人物」は確かにその「押しの強さ」をフルに発揮したら、稼げちゃいます。
 でも!!
 誘われた人はどうなるの?「押しの強い人」に押し負ける人は、多くは「押しの弱い」「NOと言えない」人じゃないでしょうか?
 
 必然!このネットワークの中に、「押しの弱い」「NOと言えない」「気の弱い」けど誘われちゃった、それで、「ン十万」出す羽目になった可哀想な人が含まれてくるのです。
 そこで、その可哀想なおとなしい人は、「ン十万」の借金を抱えることになったりするわけです。

 つまり、上記のネットワーク「家系図」は、大抵は「おとなしい人」のところでとぎれちゃいます。そして、そこには借金が残ります。
 そして、借金の残る「おとなしい人」の「親販売員」は非常に罪作りなことをやってしまった、ということになるのです。

 この場合「親販売員」が誘ったのが悪い、といえばそうなのですが、私はそれを本質だとは思いません。
 「親販売員」だって、最初に誰かに誘われ、「ン十万」投資したわけですからそれを回収せざるを得ないから、そういう仕組みだから仕方なく、誘えそうな「子」を誘って販売員にしたのですから。

 ということで、何が悪いか。
 ネットワークビジネスやっている人、誘った人ではなくて、「システム」そのものが必ず破綻するシステムだから悪いのです。
 いずれネットワークのどっかで誰かが、嫌々勧誘され、大損する、借金を抱える等の結末を迎えます。


 前田議員等は、「マルチ商法・ネットワークビジネスの健全な在り方をめざす」等と釈明していました。
 私も全てが全てと断定できるほどの資料を持っていませんが、上で説明したとおり、システムそのものがいずれ無理をきたすものである以上、「健全な在り方のマルチ・ネットワークビジネス」というのは極めて難しいと思います。
 

 できるとしたら、

「販売員」になっても次の「販売員」を誘えなくても、自分で使う商品を買う、プラスアルファで誰かに販売するというだけで十分元が取れる

という負担の軽い仕組みの場合だけです。ですが、そういうふうに負担が少ないとなると、「次の勧誘員を誘う」モチベーションがなくなるので、その人のところで止まってしまうので「ネットワーク」が作られなくなりますから、逆に、「ネットワークビジネス」というモデルが成立しなくなってしまいます。


 ということで、読者の皆様は、ぜひともマルチ・ネットワークビジネスに手を出さないようにしてください。

1 あなたが「押しの強い人物」の場合
  あなたは儲かるかも知れませんが、きっと誰か「押しの弱い」人に迷惑をかけることになります。それが友人であったりするので、お金より大事なもの、人間関係・友人関係等を損ないます。

2 あなたが「押しの弱い人物」の場合
  間違いなく元が取れません。


 もし不本意にも手を出してしまった、どうしよう、と言う場合、出来るだけ早めに、

弁護士会  http://www.hyogoben.or.jp/(兵庫)など

県や市の消費生活センター  http://www.ddart.co.jp/shouhisha/hyougo.html

にご連絡されて、相談してみて下さい。

 マルチ・ネットワークビジネス等はほとんどが「特定商取引法」という法律の「連鎖販売取引」に該当し、クーリングオフ等の規定があります。そのほか「特定商取引法」の規定によって、嫌々誘われた人を救済出来る場合があります。
 

 
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shira

 押しの強い人に説得される人というのは、その人よりも押しの強さが劣る人でしょうから、マルチ商法は常に押しの弱い人弱い人へと広がらざるを得ないわけですね。で、いずれ誰にも押すことのできないレベルの人にたどり着いて、そこで拡大が止まると。
 hmさん、内田樹かなり読んでますね。
by shira (2008-10-18 21:07) 

hm

shiraさん

 ナイス&コメントありがとうございます。
 たぶんマルチが健全であるためには、参加者全員がある種の「節度」を維持できるようなルールが必要なのでしょうが、ビジネスモデルとして成り立つために多数の人の「欲望」に働きかけるものである以上、この両立は難しいですね。会社そのものだけがルールを遵守すればよい、という問題ではありませんから。
 極めて控えめに言っても、その他の通常のビジネスモデルよりも遙かに消費者被害を生みやすい要素があることだけは間違いない、といえましょう。
 若い学生さんなどにはぜったいに手を出して欲しくないものですね。
by hm (2008-10-21 10:56) 

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