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良書!~絶対にどこかは「何言うとるねん!?」と思う本 [読書するなり!]

 読書というのはいいことですが,自分の考えを(内容的に)深める読書をしたいものだと思っています。
 私が日頃心掛けているのは,「嫌いな人」「(自分とは考えが)合わないなあと思う人」の本を読む,ということです。そういう人の本を,そういう人がなぜそういうことをマジメに書くのかを考える,ということです。
 逆に,こうなっちゃいけないと思うのは,
「戦後の自虐史観はいけねえ,だから,俺は『小林よしのり』『安倍晋三』『櫻井よしこ』『諸君!』を読みまくるぞ。」
とか,
「9条改悪はいけねえ,だから,俺は『高橋哲哉』『伊藤真』『赤旗』『世界』を読みまくるぞ。」
とかです(これ、読みまくっても同じです)。それでも何も読まないよりは良いのだと思うのですが…
 あ、いやいや、自分の尊敬する人・好きな人の書き物を読むことの楽しさとか喜びは尊いと思うのです。私も、算数・数学教育の遠山啓先生の本などたくさん読みました。
 でも,こういう読書だけでは,基本的に余り意味がないんじゃないでしょうか?気分に合う本(新聞,雑誌)をいくらたくさん読んだって「そうだそうだ」と思うだけで,別に自分の考えが変わることも深まることもなさそう。
 精神衛生上悪いと言わず、むしろ「反対派」の書いたものを読みましょうよ!
 そこで良書!↓
論争 格差社会

論争 格差社会

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 新書
 
 この本は凄いです。何本かの何人かの論考が収められていますが,いわゆる「格差を是正すべし!」という主張から,「格差の何が悪い」まで,多種多様な意見が書かれています。
 
 大竹文雄さん、竹中平蔵さん、佐藤俊樹さん、本田由紀さん…
 
 そこそこ一貫した考えがある人なら,この本の全てに賛成ということは有り得ない。
 どこかには絶対に腹が立つ部分があるし,どこかには賛成できるものがある。(でもどの論者にも,述べることには述べる人なりの理由がある。その質を冷静に分析したいものです。)
 だから,この本をマジメに読んで考えれば,だれかの意見や主張を鵜呑みにせず,相対的に捉えることができるだろうと思います。
 
 私には格差問題に対する私の考えがありますが,それはまたの機会にします。
 「格差」について考えてみたい方は,この本を読んで,「人それぞれ」の考え方に触れて,考えを深めてみられてはいかがでしょうか? 

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コメント 3

mai

反対派の本を読むべき・・大賛成です。ただ、あまりにも反対一色のものは読んでいてつらくなってしまって、途中でダウンするのが常でした。
「自分に快い文章だけ読んでいてもいけないなあ」(それはそれで得るものは多いのですが)といつも思っていたので、両論併記の本を紹介いただいて感謝です。早速入手しました。読んでみますね。
by mai (2007-03-14 10:19) 

hm

>maiさん

 コメント有り難うございます。

>ただ、あまりにも反対一色のものは読んでいてつらくなってしまって、途中でダウンするのが常でした。

 なるほど…
 私が「反対派の本を読もう」というのは,私が弁護士であるから余り抵抗無く言えるし実践できること,のような気がしました。
  
 私の場合,職業柄どういう人の立場に立つこともあるし(つまり,物事を色んな方面から見ることが職業柄要求される),反対意見を読むと言うことは日常の仕事ですから,その辺の感覚は麻痺している部分があるのでしょうね。 
 簡単に言えば,私の晋三,もとい心臓には毛が生えている…(笑)

 格差社会にしても,憲法改正論議にしても,刑罰の厳罰化,司法改革にしても,私にも一定の意見がないわけではないのですが,私の意見を人に聞いてもらうことよりも,もっと,冷静に「建設的な議論が行われる」ということ「それ自体」が実現されなければ結局は良くならないような気持ちで,色んなものごとをみています。
(これこそが,私の「甘い」ところ,理想主義的なところだと批判されるかもしれませんが…
 ですが,多様な意見があって,それらが攻撃し合うのではなく,お互いの存在を認め合い,理路整然と議論をたたかわせて,互いに持つ「理」は互いに認め,よりよい社会にしてゆくのが民主主義ではないかと…
 現実からすれば,これは夢のような話に思われるかも知れませんが…)
 
by hm (2007-03-14 14:52) 

mai

こんにちは☆
hmさんの強さ、いいなあ。見習わねば・・。
職業上、必要とされるという部分もあると思いますが、hmさんのこころがもともと解放されていて、(「きのくに」でもよく言われるところの)正しい「自己肯定感」が身についているからではないでしょうか。

「建設的な議論」について同感です・・・いまの国会を見ていると、そんなものがどこにあるの?と感じます。何でも最後には数、数、数・・。理も知もすっとんでいるように見えます。こんな状態が良いわけありませんよね。市民パワーと選挙で何とか、少しでも良い方向に持っていければと思います。

晋三と心臓・・笑えました。晋三氏の心臓にも毛がはえているのでしょうか(笑)
by mai (2007-03-15 11:03) 

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