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秋の読書感想文~銀河鉄道999(松本零士)の産みの親?「大宇宙の旅」 [息抜き!?]

 読書の秋がやってきました。
復刻版 大宇宙の旅

復刻版 大宇宙の旅

  • 作者: 荒木 俊馬, 福江 純
  • 出版社/メーカー: 恒星社厚生閣
  • 発売日: 2006/07/07
  • メディア: 単行本
 
 この挿絵はご存じメーテルさんですね。
 銀河鉄道999の作者松本零士さんが,子ども時代夢中になって読んだ,宇宙を旅するワンダーな物語。
 ファンタジー的要素と科学的要素が見事な調和でした。
 少年に戻って夢中で読み終えました。
                                       
 
 星空大好き少年が,ある日,光の女に誘われ,宇宙への旅にでます。
 ほうき星につかまって太陽系の惑星を見て回り,次は,光の女と一緒に太陽系を飛び出しシリウスなどを見に旅し,ついには銀河系を離れて色んな銀河を見てまわり,宇宙の果てへ…。
 ワクワク,ワクワク…の物語。
 
 昭和25年の刊行なので驚かされます。
 
 天文(地学)の知識,法則なども,そのときの科学の成果に忠実に書かれています。
 
 そして,星の大きさや,公転周期,公転軌道,星の質量などを,本に書かれている数値と法則で読者の皆さんも計算してみよう!というのが随所に出てきます。
 主に電車で読んでいる私は勿論計算していませんし,計算などしなくても関係なく物語は読めます。
 が,少年時代の私ならば,すぐ裏の白いチラシと鉛筆を持ち出し,計算しまくっていただろうな,と思います(田舎の子だった私は,都会っ子と違って,ヒマヒマでしたから)。
 
 他にも本の中には,「この説明でよく判らない人は,学校の理科の先生に聞いてみましょう。」などとあります。聞かれた理科の先生は大変だったでしょうが,生徒側が自発的に知りたい!と思ったことは身に付きますよね。
 
 昭和25年~のころの子どもがこの本を読んだら…と想像するとき,たぶん,モノのない時代ですから,星好きの子どもは何度も何度もこの本を読み返し,知的好奇心を膨らませ,自分でケプラーの法則や何やで計算してみたりして,小さな天文学者気取り,だったんだろうな…と思います。
 
 今ゲームも雑誌もたくさんある世の中。これだって楽しいし,全然悪くないとおもう。
 でも,例えば「大宇宙の旅」を毎晩毎晩読んで,とことん読み尽くし,銀河系全体の質量や星の数まで推定で計算してしまう,なんていう「知的好奇心」による遊びに夢中になる幸せは昔の子のほうが味わうチャンスが多かったかも知れない。
 このへんにくれば,それは「遊び」なのか「勉強」なのか,境目もよく判らないが,それでこそ「学問」ではないか,と思います。
 
 今の子どもに対して,プレステや任天堂DSを「やめなさい」と言って取り上げても仕方ないでしょう。
 なので,「ゲームも面白いよね。でも,リアル(現実)はもっと面白いものがいっぱいだよ。」と上手く伝えてあげられれば…なんてことを考えます。
 
 正直,私もプレイステーションのゲームなど相当やり込みました。最近ゲームは進化して,リアル(現実)に限りなく近づいています。
 ってことは,最高傑作のゲームはリアル(現実)!?
 それもたった一度きりの緊張感!これを楽しまずしてホンモノのゲーマーと呼べるか?
 
 「大宇宙の旅」を読みながら,またそれがきっかけとなって,算数数学や理科をやるというように,子どもたちも私たち大人も,他人との競争などに煩わされず,
 
ただただ知的好奇心をエネルギーにして,楽しくどんどん学んでいける
 
そんなふうな在り方であれればいいな,と思います。(それで,これはおまけですが,そういう自由で創造的な雰囲気の中こそ,後世に名を残す「発明家」や「天才」が生まれるんだろうなぁ,と思います。)
 

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コメント 3

robou

楽しそうですね。
小学生の時に、宇宙の図鑑を読んでワクワクしたことを思い出します。
どうしても、土星の輪っかや、アンドロメダ星雲。ガスで出来た紫や緑のもやetc・・・を見たくて、天体望遠鏡を親にねだったら、
すぐ飽きるだろうし、箪笥の肥やしになるから、
という理由で買ってくれませんでした。
あきらめられなかった私は、図鑑の最後のページに書いてあった
「簡単な望遠鏡の作り方」を見て、作ってみました。
凸レンズ、凹レンズ、は見つからなかったから、虫めがねのレンズで代用。
黒ラッカー、は、墨汁で代用。
ほうがん用紙は、ポスター2重がさねで。
図鑑によれば、月のクレーターぐらいなら見える、とのこと。
十分です。で、代用しまくった望遠鏡が完成。しぼりもついてます。
どきどき、わくわくしながら夜を待ち、空が晴れていることを確認、
月もぽっかり出ています。わーい!と望遠鏡を月の方向に定め、覗き込む。
「ん?」ともう一度。やはり「?」。
一面クリーム色。確認しましたが、隣の家の壁ではありません。
どうやら、間違いなく、月のようですが。。。
作りがまずかったのか、まあ、精度を欠いたのでしょうね。
クレーターは見れず。一面クリーム色。微妙に近く見えただけ。
私の宙への知的好奇心、知的欲求というものが、
急にしぼんで萎えてしまったのを、子供心に感じました。
その一件以来、宇宙を見て、わくわくする心がなくなりました。
自分でも、それぐらいの熱情だったのか、とがっかりするぐらいです。

この本読んで、昔のように純粋に子供がえり、出来たらいいなあ♪
と、ちょっと期待しています。
今なら、割とすんなり楽しめるような気がいたします。
楽しみです。
by robou (2006-09-13 12:04) 

hm

>robouさん

 自作望遠鏡!!凄いですねー。
 十分マニアックですよ!!
 今読まれていた小説のお口直しに,さわやかな「大宇宙の旅」をお貸ししますので,是非読んで下さい。

 それにしても,精度を欠いた?とはいえ,自作望遠鏡はすごい!!

 そういえば,みんなで何年か前 妙見山に獅子座流星群を見に行ったときもいち早く提案されたのはrobouさんでしたね。思い出しました。
by hm (2006-09-14 18:21) 

robou

そうですね、爽やかな「大宇宙の旅」。
是非とも貸していただきたく、近々お邪魔いたしまーすm(_ _)m。
精度を欠いた自作望遠鏡に投げやりな気持ちになり、
父がゴルフの景品で貰ってきた双眼鏡で月をのぞいてみました。
一応、比較すると、自作望遠鏡の方が遠くまで見える、ということが判明。
なんとか、納得できました。

そういや昨日の空は星が綺麗でした。秋ですね。
お子様と天体観測なんてのも、素敵です。
by robou (2006-09-15 12:15) 

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