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サマークラーク [弁護士業について]

 私の所属事務所 神戸シーサイド法律事務所 で,今年は「サマークラーク」を募集します。

募集要項
 https://www.kobeseaside-lawoffice.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/03dd1213bc177e8883b87922d306fdeb.pdf

 司法試験受験生や法曹関係者以外の方は,「サマークラーク」って何?というところでしょう。

 「サマークラーク」というのは,簡単に言うと「事務所体験」であって,司法試験に合格する前の段階(ロースクール生その他の受験生の段階)で法律事務所で短期間の研修をするというものです。

 なので,司法試験に合格した後の「司法修習生」とは違います。それより前の段階です。

 最近は,東京などの大手の事務所を中心に「サマークラーク」が実施されるようになりました。
 
 通常は,たくさん人数をかかえる渉外法務,企業法務の大事務所が弁護士採用活動として「サマークラーク」を実施する例がほとんどです。

 
 今回,私の事務所で「サマークラーク」を実施することにしたのは,法曹を目指す人に,早い段階で,

地方都市である神戸で

企業法務だけでなく個人の案件も幅広く行う法律事務所

そこで働く弁護士の姿

を見てもらいたいと思ったからです。
 
 東京の大事務所を見学することはもちろん良い,だが,それと同じタイミングで,地元で職人的に仕事をする法律事務所も見ておいてほしい,という思いからです。


 欲を言えば,将来同じ事務所で働くかどうかは別として,

共に新しい時代の弁護士の在り方を創っていける人

(世代を超えて)互いに知的な刺激を与え合える仲間

神戸の街を盛り上げることができる同志

に出会うことができればいいな,という気持ちもあります。

 
 「仕事も勉強も遊びも一生懸命!」というタイプの方を特に歓迎します。

 
 これからも私自身が研鑽していくことは変わりませんが,それに加えて,次世代の弁護士の皆さんとともに歩むことにも力を入れていきたいと思っています。




 


 

 



 

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「Die革命~医療完成時代の生き方」(奥真也さん著 大和書房) [読書するなり!]


Die革命~医療完成時代の生き方

Die革命~医療完成時代の生き方

  • 作者: 奥 真也
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2019/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 2月発売で,現在,紀伊國屋やジュンク堂その他書店で平積みされているベストセラーです。
 
 タイトルのとおりで,医療の進歩はめざましく,この本によればもう医療の完成は「9合目」まで来ているとのことです。
 その結果,私たちは,高齢になっても病気になっても最新の医療によりなかなか死に至ることはなく,超・長寿になっていく,その中でいかに,長い命を楽しんで暮らせるかというテーマの本です。

 とても興味深いテーマです。

 この本では,再生医療など最新の医療テクノロジーについて幅広く紹介され,また,命が長くなる時代に,どういう心持ちで生きていくのが適しているか,について掘り下げられています。

 基本的に「この世に生を受けたからには全力疾走で!」という発想で過ごしてきた私からすれば,「目から鱗」の視点がたくさんありました。

 たとえば,「人生多毛作」という考え方。
 つまり,これまでのように60歳で定年を迎えあとは余生というのではなく,もっとずっと長く働ける人生を考えれば,社会人になってからも,「一つの道」だけではなく,いろんな方面の経験を積み,それを複合させて自分のキャリアを作っていくという在り方の可能性が広がっている,ということ。
 だから,キャリアの途中での「学び直し」も長い人生を考えれば有益だ,というのも納得できる気がしました。

 また,「多病息災」という言葉も出てきます。
 私たちに馴染みがあるのは「無病息災」。
 ですが,これからは(完治できない)病気そのものはいくつも持っていても,医療によって(薬などで)適切にコントロールしながら付き合って生きていく,それでいいのだ,という考え方。
 そもそも,今でも,医者ではない私からすれば自分が「病気を持っている」状態自体を不愉快に思うのですが,お医者さんは「コントロールできて死に至る恐れがないなら問題ない」という考えで事にあたっている,
 とのこと。なるほど,それはそう考えた方がずっと気が楽です。

 私は草野球が趣味ですが、確かに今は、かつてでは考えられない年齢の現役プレーヤーが活躍しています。60代後半は身近な人だけで2人いますし、75歳でも快速球を投げる人がいます。
 長寿選手のプレースタイルは命を削るような在り方ではなく、無駄に体を消耗させないことを意識したものです。「Die革命~医療完成時代」(超・長寿時代)に早くも適応している人という感じがします。
 今でさえこんなですから、将来は益々、でしょう。草野球なら100歳プレーヤーが珍しくなくなる日が本当に来るのではないか,とさえ思います。

 この本の最終章は,「『利己的な自分』からの解放」というタイトルです。
 超・長寿時代になれば,人の在り方にも変化があるだろう,ということについて著者の考察が書かれています。
 より利他的な生き方が自然になっていくのではないか,と。

 「どうせ死ぬから」と思うのと「長く生きなければならないと考えると」と思うのと,確かに,心の持ちように変化があるのは自然な気がします。 

 私の自分の経験でも、「利己的」に生きるに適しているのはやはり見た目も若く体力的にも無理が効く20代だったと思います。
 若さも長持ちする時代なので、利己的なあり方を高齢まで引っ張ることはやろうと思えば可能なのですが、やはり「利己的な行動だけをする」としたら20代のときより疲れますし、達成感も薄いものになります。
 おそらく、超・長寿社会のなかでの自分の喜びを求めていくなら、やはり、社会の中にある存在としての自己実現、つまり他人と幸せを分かつことで喜びを得る方向にいくほうが,自然で幸せになれそうな気がします。

 そうなると,これから来る「医療完成時代」にはもちろん色んな新しい問題も沢山出てくるでしょうが,より他者への想像力やリスペクトの気持ちに満ちた「成熟社会」に近づく,という明るい希望を抱くことができる気がします。

 これからの時代の生き方を考えるにあたって,とてもタメになり,よいきっかけになる本ですので,あらゆる人にオススメします。


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