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「最強の教養 不確実性超入門」 [読書するなり!]


最強の教養 不確実性超入門

最強の教養 不確実性超入門

  • 作者: 田渕 直也
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2016/04/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 「なぜ、エリートですらバブルと暴落に踊らされてしまうのか?」という帯のこの本。

 予測不可能な出来事については、基本的に予測を「当てる」ことを期待できない。
 そうである以上、個々の「当たる」「当たらない」に一喜一憂したり、過剰な意味づけをすることなく、「期待値」で物事を判断するしかないし、「起こりえる最悪」が致命傷にならないだけの備えをしておくしかない。

 引いた牌が何かを当てることは基本的にできない「麻雀」なんかも、まさにこの考えで行くのが最善なのですが…

 ただ、実際には、「エリートですらバブルと暴落に踊らされてしまう」し、偶然によってもたらされた成功について過剰な意味づけ(「自分の力だ」というような)をして失敗することがある。
 むしろ、そのような失敗をしやすい性質が人間には備わっている。それには理由がある。

 …といったことなどが、分かりやすく書かれている本です。

 不確実なことに満ちている世界で、いかにして、自分のコントロールできることとできないことを区別し、コントロールできることに最善を尽くすか、また、そのための心がけや、気をつけるべきことはどんなことかを教えてくれる本でした。

 少し前、「勉強」の記事でも書いたことに通じます。

・ 学校でテストの点数をとる      → 不確実性を考えずに、基本的に努力でできる。

・ 社会で起こる出来事に対処する、仕事する    → 不確実性への対処を避けられない。

 ですので、生きるのに必要な力としては、社会に出れば、「学校のテストで点数をとる」ような考え方とは別の頭の働きが必要になってきます。(もちろん、「答えのある」問題を正解できる、ということは間違いなく一つの「強さ」そのものなのですが、しかし、それだけでは全ての課題に対処できないということです。)
 それが「不確実性」への対処であって、そういう意味で、多くの人にとって興味深い内容なのではないか、と思います。

                        神戸シーサイド法律事務所                           弁護士 村上英樹

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ayu15

「自分のコントロールできることとできないことを区別し、コントロールできることに最善を尽くすか、」

なんかすごく現実的な助言だなあと思いました。



製品やサービスも一定品質は保たれていても不確実要素があります。
それが起きて不具合が出たら?

企業などとトラブル起きた時、何が対応可能かを明確化し、こちらも妥協しあきらめることで和解になります。


こういうとき怒りの感情は邪魔になります。

余談ですが
「ルールです。対応できません。」と形式だけで済まされると残るのは怒りの感情です。
by ayu15 (2016-06-24 10:01) 

hm

ayuさん
 コメントありがとうございます。

 そうですね、結論は「対応できない」にしても、現実に「できることは…です」という説明であれば違うでしょうか。
by hm (2016-06-28 12:02) 

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