報告 12/7 「徹底討論!~憲法改正」
12月7日、前回記事でご案内した「徹底討論!~憲法改正」(兵庫県弁護士会主催イベント)を開催しました。
メインの内容は、
やまだ賢司衆議院議員(自民党)
伊藤真弁護士
の討論です。
最初、15分ずつ、それぞれに憲法改正に対する意見を発表してもらい、その後、1時間半程度にわたって憲法のあり方、憲法9条、人権についての考え方などについて討論していただきました。
これまで兵庫県弁護士会で開催した拳法集会の中で、おそらく、一番盛り上がったのではないかと思います。
来場された方は200人超だと思います。
憲法改正について、改憲論の方も、護憲論の方も、かなりの数来られたようです。
以下、私の記憶に従って、議論の一端をご紹介します。私の理解による記述なので不正確なところがあるかもしれないことを予めお断りしておきます。
例えば、憲法9条についてやまだ議員は、現在の日本を取り巻く国際情勢の中で国民の生命や財産を守るため、また、拉致被害のような事態がある中で自国民を守るためには、多くの諸外国と同様に軍隊を持たざるを得ない、という意見を述べられました。
対して、伊藤弁護士は、憲法9条を改正すべきではない。今すぐ自衛隊を廃止するべきだと考えているわけではないが、国際紛争を力によらない方法(外交、対話など)を尽くすことにより解決していく方法を追求していくことこそが、世界の向かうべき、また向かいつつある潮流であり、それに逆行するようなことはあってはならない、との意見を述べられました。
やはり、9条論は、一種の「究極の選択」の問題です。なので、論者にも、また、聴衆の方にもそれぞれの信念があり、会場はかなりの熱気を帯びました。
それぞれのパネリストの意見に対し、それぞれに共感する聴衆から力強い拍手が送られました(これは、どちらの論者に対しても、それぞれに拍手がありました)。
また、そもそもの憲法のあり方についても熱く議論が交わされました。
伊藤弁護士は、憲法の役割を立憲主義、すなわち、国家権力をルールで縛り暴走を食い止めるあり方に重きを置いて考えるべきで、自民党改憲案はこれを後退させる方向であり賛成できない、と述べられました。
やまだ議員は、立憲主義が重要であることは自分も同意見だ、改憲案も立憲主義を軽視する意図を持っているものではないと考えている、だが、憲法には立憲主義だけでなく自分たちの思い描く国の在り方を示すこともあってよいはずだ、という意見を述べられました。
このほかにも、人権の制限について、日本国憲法では「公共の福祉」とあるものが自民党改憲案では「公益および公の秩序」となっている点などについても意見が交わされました。
伊藤弁護士はこれが変わることによって人権がより制約されやすくなる恐れを指摘され、対して、やまだ議員は、そうは考えていない、ただ、「公の秩序」には違和感があるという意見も多いことは想像される(氏の表現では「公の秩序」は「ギラつく」感がある、とのこと)、これから国民的議論が必要ではないか、という趣旨のことを述べられました。
今回の2人の論者は、理知的で、真摯に議論をしてくださり、聴いている私たちとしては、大切なポイントについて、双方の考えの対立する点がどこか、よく分かりました。
あるいは、2人の「願い」には共通するものがあるが、その「願い」を実現するためのアプローチの方法が違う、という部分もありました。
上の要約ではとても紹介し尽くせない内容でした。
こういう討論は生ものなので、テレビ討論でも、集会でも、出席してみる価値は大いにあるように感じました。
弁護士会の活動などを通じて、こういった「議論を深める」場をつくる、という活動は私自身続けていきたい、と思いました。
村上英樹(弁護士、神戸シーサイド法律事務所)
メインの内容は、
やまだ賢司衆議院議員(自民党)
伊藤真弁護士
の討論です。
最初、15分ずつ、それぞれに憲法改正に対する意見を発表してもらい、その後、1時間半程度にわたって憲法のあり方、憲法9条、人権についての考え方などについて討論していただきました。
これまで兵庫県弁護士会で開催した拳法集会の中で、おそらく、一番盛り上がったのではないかと思います。
来場された方は200人超だと思います。
憲法改正について、改憲論の方も、護憲論の方も、かなりの数来られたようです。
以下、私の記憶に従って、議論の一端をご紹介します。私の理解による記述なので不正確なところがあるかもしれないことを予めお断りしておきます。
例えば、憲法9条についてやまだ議員は、現在の日本を取り巻く国際情勢の中で国民の生命や財産を守るため、また、拉致被害のような事態がある中で自国民を守るためには、多くの諸外国と同様に軍隊を持たざるを得ない、という意見を述べられました。
対して、伊藤弁護士は、憲法9条を改正すべきではない。今すぐ自衛隊を廃止するべきだと考えているわけではないが、国際紛争を力によらない方法(外交、対話など)を尽くすことにより解決していく方法を追求していくことこそが、世界の向かうべき、また向かいつつある潮流であり、それに逆行するようなことはあってはならない、との意見を述べられました。
やはり、9条論は、一種の「究極の選択」の問題です。なので、論者にも、また、聴衆の方にもそれぞれの信念があり、会場はかなりの熱気を帯びました。
それぞれのパネリストの意見に対し、それぞれに共感する聴衆から力強い拍手が送られました(これは、どちらの論者に対しても、それぞれに拍手がありました)。
また、そもそもの憲法のあり方についても熱く議論が交わされました。
伊藤弁護士は、憲法の役割を立憲主義、すなわち、国家権力をルールで縛り暴走を食い止めるあり方に重きを置いて考えるべきで、自民党改憲案はこれを後退させる方向であり賛成できない、と述べられました。
やまだ議員は、立憲主義が重要であることは自分も同意見だ、改憲案も立憲主義を軽視する意図を持っているものではないと考えている、だが、憲法には立憲主義だけでなく自分たちの思い描く国の在り方を示すこともあってよいはずだ、という意見を述べられました。
このほかにも、人権の制限について、日本国憲法では「公共の福祉」とあるものが自民党改憲案では「公益および公の秩序」となっている点などについても意見が交わされました。
伊藤弁護士はこれが変わることによって人権がより制約されやすくなる恐れを指摘され、対して、やまだ議員は、そうは考えていない、ただ、「公の秩序」には違和感があるという意見も多いことは想像される(氏の表現では「公の秩序」は「ギラつく」感がある、とのこと)、これから国民的議論が必要ではないか、という趣旨のことを述べられました。
今回の2人の論者は、理知的で、真摯に議論をしてくださり、聴いている私たちとしては、大切なポイントについて、双方の考えの対立する点がどこか、よく分かりました。
あるいは、2人の「願い」には共通するものがあるが、その「願い」を実現するためのアプローチの方法が違う、という部分もありました。
上の要約ではとても紹介し尽くせない内容でした。
こういう討論は生ものなので、テレビ討論でも、集会でも、出席してみる価値は大いにあるように感じました。
弁護士会の活動などを通じて、こういった「議論を深める」場をつくる、という活動は私自身続けていきたい、と思いました。
村上英樹(弁護士、神戸シーサイド法律事務所)
2013-12-12 21:15
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コメント(2)
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本文上は
軍隊で守る・・・自衛隊と外交で守る
立憲主義と国の在り方を示す・・・・立憲主義
「公益および公の秩序」・・・・「公共の福祉」
この3点みたいですね。
1軍隊で守るは反省がありませんね。
戦争でで大量殺人した(多くの国民を殺人の加害者や被害者に追い込んだ)反省がまるでないです。
軍は守るどころか奪ったんですよね。
この真摯な反省がまず必要です。
外国はともかく日本の政治や社会では軍はろくなことがありません。
だれか責任取れるんでしょうか?(無理でしょう)
自衛隊では守れないという根拠は?
2立憲主義を否定していないというけどどうみても半分否定してます。
国の在り方は現憲法も示しているでしょう。
3
これもひどいです。「そうはかんがえていない」はおかしいです。条文見たらあきらかに人権抑制です。
感覚がおかしいとしか見えません。
国て??
グローバル化はいい悪いでなく流れかも?
その中でナショナリズムにしがみつくの??
寒天会社(連続48期黒字)社長いわく「あらゆる組織は人を幸せにするためにある」
自民はこの逆です。
「幸せ」は多数や権力・ネット右翼などの側が判断しちゃいます。
やられる当人が苦痛でつらくても・・
うちのいう「まな板の上のコイ」です。
規格外の人に冷たいのが自民です。
某自民党員も個性をわがままと言うようなこと言ってます。
人の人生を「秩序」で奪うひどい人にしか見えないです。
自民案・・人が国のためにある。
理想・・・国が人のためにある。
根本的争点は理想に背を向けるかどうかかも?
一人は万人のために(自民案)
万人は一人のために
でなく
万人は一人のために
そしてあなたも万人の一人
誰もが生まれてきてよかった社会は規格外の人にもやさしくて受け止める社会です。
個々が尊重され、お互いつらそうな人にみんなで手を差し伸べられる社会です。(自己中でなく・自己犠牲でもない)
今回の見てあらためて自民はうちのおもいと対立するのがわかりました。
こういう人が多いと先日の長文質問をやはり考えてしまいます。
by ayu15 (2013-12-21 08:53)
shiraさん 心如さん
ナイスありがとうございます。
ayuさん
ナイスコメントありがとうございます。
対立点のまとめ、その通りかと思います。
当日は各ポイントについて、ここで紹介しきれない突っ込んだ議論がなされました。
>個々が尊重され、お互いつらそうな人にみんなで手を差し伸べられる社会です。(自己中でなく・自己犠牲でもない)
全く同感です。
私も、この点をこそ、しっかり強調する憲法がよいと思っています。
by hm (2013-12-25 19:58)