弁護士とiPad [弁護士業について]
私も、今年から、ついに(!?)iPadユーザーになりました。
最新の「新型iPad」ではなく、「iPad2」です。
同期の弁護士に、私にとって、iPadの「師匠」のような人がいまして、その人に色々便利なアプリなどを教えてもらいながら、活用しています。
本で読むところによると、
アメリカでは、弁護士が、大量の書類の入ったでっかい鞄を持ち運ぶ、などという姿は過去のこと
今は、タブレットPC(iPadなどのこと)だけを片手に法廷に行く
である、という情報もあります。(本当かどうかは不明。)
私は、その状態には遠く、紙の資料とiPadを併用していますが、まだまだ、重要な資料ほど「紙」です。
さて、今のところ、iPadが弁護士業務で役立つ点を列挙しますと、
1 実務上必要な資料類を大量に持ち運ぶことが出来る
例えば、非常によく使うものとして、「養育費・婚姻費用算定表」「交通事故損害賠償算定基準」などがあります。養育費算定表について → 過去記事 http://h-m-d.blog.so-net.ne.jp/2009-05-14
今までも、事務所での法律相談ならば、こういう資料が紙で手元にあるわけですから、いつでも見ながら相談できるのですが、しかし、出張先ではそうも行かなかったのです。
そうかといって、本をたくさん持っていくと重いし、しかも、法律相談で使うか使わないか分からない本を全部持っていくことは出来ませんでした。
今は、そういう資料をiPadに入れても、iPad自体の重量は変わりませんので、いくらでも入れておけます。
使わなくても構いません。
入れっぱなしで構いません。
何しろ、iPadは50GB以上の容量がありますから、本を何冊入れてもメモリがいっぱいになることはまずありません。
なので、専門的資料を参照することが多い、弁護士の仕事ではとても便利です。
六法さえも「e六法」という無料のアプリがあり、六法全書を持ち歩く必要がありません。
2 メモがすぐ取れるし、散逸しない
iPadは「手書き」にとても優れていますので、キーボード操作をしなくても、まるで普通にペンで紙に字を書くかのようにすらすらとメモを取ることが出来ます。
そして、今まで「紙」のメモだと、ちゃんと整理しなければなくなってしまうのですが、iPadの場合は、電子ファイルとして残るので、無くなることがまずありません。
かといって、捨てなくても「かさばる」ことがありません。
3 ネット情報なども、ファイリングしておきやすい
現代では、弁護士も仕事をする上で、とりあえずネット情報はよく調べます。
依頼者の相手方の会社のHPを調べる、などというのは当たり前にしていることです。
たとえば、医療過誤事件などにおいて、医療知識などの専門知識も、最終的には、ちゃんとした医学文献を当たるにしても、まずは、ネットでざっとした知識を得るように調査します。
そういうときに調べた内容は、Evernoteという情報整理用のアプリで、パソコンとiPadを連動させて、情報をファイリングしておき、後日、そのアプリの単語検索機能などを使って、必要なときに情報を取り出す、というような使い方をします。
今までは、とりあえず、ネットで役に立つかも?という情報は全てプリントアウトしていました。それが結局は余り意味がなかったこともあって、膨大な紙の無駄を生じさせていましたし、プリントアウトした紙は散逸しやすいものでしたから、とても便利になりました。
4 ネットにすぐ繋がる
東日本大震災後の相談業務などは、携帯PCが必須だったそうです。
もちろん、iPadでも可です。
要するに震災直後のような緊急時は、弁護士が持っている法律的知識などよりも、
「これこれこういう問題は、どこに問い合せたらよいのか?」
という情報を求めている人が多かったのです。
こうしたとき、基本的にどこでもネットに接続でき、わずか600gくらいの重量で持ち歩けるiPadなどは重宝したと思われます。
ほかにも、複数の弁護士や、弁護団の間で、共同作業をすることやスケジュールを共有するなどの便利な使い方ができるようです(私はまだしていませんが)。
私は、どちらかいえばトラディショナルなタイプで(!?)、iPadなど電子的な方法については、もともと、「懐疑的」で、
紙、ペン、自分の手で線を引く、紙で出来た本・資料
等のほうにこだわる気持ちも強かったのです。
ただ、iPadを利用してみて、今までのやり方に「こだわる」のをやめて、柔軟に、色んなものを取り入れてみると、自分の出来ることの幅が広がる、ということを実感しました。
要するに、
便利なツールを使って、煩雑な作業とか、無駄な時間を省き、
自分の持っている本来の能力を、たとえば、事件の処理など、自分の依頼者や世の中のために、創造的に役に立つ方向で働かせる
ということができる、と実感しました。
以上、iPadの便利さへの感動をお伝えしたわけですが、その反面、例えば、
何かの学習をしていて、「頭に叩き込まなければならない」事柄があるとき
などは、やっぱり、紙の資料(本など)を使って、自分の手で、じかに手応えを感じながら紙に線を引いたり、単語を書いたりしてみることは必要だ、と思いますし、それに限らず、
iPadなど電子機器のなめらかさ
に浸りきってしまうのは危険で、
アナログな方法がもつ「手応え」
は重要なものだと感じたりもしています。なので、鉛筆などは今でもカッターで削るのですが、この「手応え」は、私にとって欠かせぬ「癒し」です。
また、電子書籍が行き渡ったとしても、
大好きな小説など、文庫本片手に喫茶店で贅沢な時間を過ごす
というスタイルを、私は手放せません。
それから、囲碁なども、
パソコン画面で行うインターネット対局
より
碁盤を使って、人と対面して、碁石をパチリとやる
ことのほうが、格段に味わいがあると感じます。
そんなわけで、今までの行動様式と、新しいツールとの狭間で揺れる、というのが今の私の状況なのですが、
良いものはどんどん柔軟に積極的に取り入れ
しかも
自分本来の持っている感覚も大切にして
古きものの良さと新しきものの良さを、私なりに取り入れて、仕事に私生活に活かしていこう、と思っています。
最新の「新型iPad」ではなく、「iPad2」です。
同期の弁護士に、私にとって、iPadの「師匠」のような人がいまして、その人に色々便利なアプリなどを教えてもらいながら、活用しています。
本で読むところによると、
アメリカでは、弁護士が、大量の書類の入ったでっかい鞄を持ち運ぶ、などという姿は過去のこと
今は、タブレットPC(iPadなどのこと)だけを片手に法廷に行く
である、という情報もあります。(本当かどうかは不明。)
私は、その状態には遠く、紙の資料とiPadを併用していますが、まだまだ、重要な資料ほど「紙」です。
さて、今のところ、iPadが弁護士業務で役立つ点を列挙しますと、
1 実務上必要な資料類を大量に持ち運ぶことが出来る
例えば、非常によく使うものとして、「養育費・婚姻費用算定表」「交通事故損害賠償算定基準」などがあります。養育費算定表について → 過去記事 http://h-m-d.blog.so-net.ne.jp/2009-05-14
今までも、事務所での法律相談ならば、こういう資料が紙で手元にあるわけですから、いつでも見ながら相談できるのですが、しかし、出張先ではそうも行かなかったのです。
そうかといって、本をたくさん持っていくと重いし、しかも、法律相談で使うか使わないか分からない本を全部持っていくことは出来ませんでした。
今は、そういう資料をiPadに入れても、iPad自体の重量は変わりませんので、いくらでも入れておけます。
使わなくても構いません。
入れっぱなしで構いません。
何しろ、iPadは50GB以上の容量がありますから、本を何冊入れてもメモリがいっぱいになることはまずありません。
なので、専門的資料を参照することが多い、弁護士の仕事ではとても便利です。
六法さえも「e六法」という無料のアプリがあり、六法全書を持ち歩く必要がありません。
2 メモがすぐ取れるし、散逸しない
iPadは「手書き」にとても優れていますので、キーボード操作をしなくても、まるで普通にペンで紙に字を書くかのようにすらすらとメモを取ることが出来ます。
そして、今まで「紙」のメモだと、ちゃんと整理しなければなくなってしまうのですが、iPadの場合は、電子ファイルとして残るので、無くなることがまずありません。
かといって、捨てなくても「かさばる」ことがありません。
3 ネット情報なども、ファイリングしておきやすい
現代では、弁護士も仕事をする上で、とりあえずネット情報はよく調べます。
依頼者の相手方の会社のHPを調べる、などというのは当たり前にしていることです。
たとえば、医療過誤事件などにおいて、医療知識などの専門知識も、最終的には、ちゃんとした医学文献を当たるにしても、まずは、ネットでざっとした知識を得るように調査します。
そういうときに調べた内容は、Evernoteという情報整理用のアプリで、パソコンとiPadを連動させて、情報をファイリングしておき、後日、そのアプリの単語検索機能などを使って、必要なときに情報を取り出す、というような使い方をします。
今までは、とりあえず、ネットで役に立つかも?という情報は全てプリントアウトしていました。それが結局は余り意味がなかったこともあって、膨大な紙の無駄を生じさせていましたし、プリントアウトした紙は散逸しやすいものでしたから、とても便利になりました。
4 ネットにすぐ繋がる
東日本大震災後の相談業務などは、携帯PCが必須だったそうです。
もちろん、iPadでも可です。
要するに震災直後のような緊急時は、弁護士が持っている法律的知識などよりも、
「これこれこういう問題は、どこに問い合せたらよいのか?」
という情報を求めている人が多かったのです。
こうしたとき、基本的にどこでもネットに接続でき、わずか600gくらいの重量で持ち歩けるiPadなどは重宝したと思われます。
ほかにも、複数の弁護士や、弁護団の間で、共同作業をすることやスケジュールを共有するなどの便利な使い方ができるようです(私はまだしていませんが)。
私は、どちらかいえばトラディショナルなタイプで(!?)、iPadなど電子的な方法については、もともと、「懐疑的」で、
紙、ペン、自分の手で線を引く、紙で出来た本・資料
等のほうにこだわる気持ちも強かったのです。
ただ、iPadを利用してみて、今までのやり方に「こだわる」のをやめて、柔軟に、色んなものを取り入れてみると、自分の出来ることの幅が広がる、ということを実感しました。
要するに、
便利なツールを使って、煩雑な作業とか、無駄な時間を省き、
自分の持っている本来の能力を、たとえば、事件の処理など、自分の依頼者や世の中のために、創造的に役に立つ方向で働かせる
ということができる、と実感しました。
以上、iPadの便利さへの感動をお伝えしたわけですが、その反面、例えば、
何かの学習をしていて、「頭に叩き込まなければならない」事柄があるとき
などは、やっぱり、紙の資料(本など)を使って、自分の手で、じかに手応えを感じながら紙に線を引いたり、単語を書いたりしてみることは必要だ、と思いますし、それに限らず、
iPadなど電子機器のなめらかさ
に浸りきってしまうのは危険で、
アナログな方法がもつ「手応え」
は重要なものだと感じたりもしています。なので、鉛筆などは今でもカッターで削るのですが、この「手応え」は、私にとって欠かせぬ「癒し」です。
また、電子書籍が行き渡ったとしても、
大好きな小説など、文庫本片手に喫茶店で贅沢な時間を過ごす
というスタイルを、私は手放せません。
それから、囲碁なども、
パソコン画面で行うインターネット対局
より
碁盤を使って、人と対面して、碁石をパチリとやる
ことのほうが、格段に味わいがあると感じます。
そんなわけで、今までの行動様式と、新しいツールとの狭間で揺れる、というのが今の私の状況なのですが、
良いものはどんどん柔軟に積極的に取り入れ
しかも
自分本来の持っている感覚も大切にして
古きものの良さと新しきものの良さを、私なりに取り入れて、仕事に私生活に活かしていこう、と思っています。
2012-04-02 18:07
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本来のものと新しいもの両方うまくつかいわけれるといいですね。
囲碁はどのくらいされるんでしょうか?
(頻度・レベル)
by ayu15 (2012-04-03 11:34)
あゆさん
ナイス・コメントありがとうございます。
使い分けが今の課題です。
囲碁に関して、20分くらいの超早碁ならほぼ毎日というところで、棋力は二段前後くらいでしょうか(私の場合、そのときによってムラがあり過ぎて、一定しませんが)。
あーちゃんさん
ナイスありがとうございます。
by hm (2012-04-03 17:47)
shiraさん、心如さん
ナイスありがとうございます。
by hm (2012-04-06 18:56)