SSブログ

西宮えびす神社 福男選びレース は安全改革を! [くらしと安全(交通事故その他)]

 今日、TBS朝ズバで見た。
 西宮えびす神社の福男選びレース。
 230mの神社の境内を千人以上の人が走り、一番を競うというもの。

 みのもんた中心に、めでたい行事として、わいわい報道していた。めでたい。それはそれでいい。

 でも、私はこの行事には大いに疑問がある。

 TBSはカメラ15台を備え付け、色んな角度から映像を取っていた。
 それによると、もちろん転倒があり、転倒した人に折り重なってまた転倒があり・・・というシーンも映されていた。
 境内のカーブを曲がりきれず、出店に猛スピードで衝突する人の映像もあった。

 わずか230mを、幅はだいたい2~3mの境内(石畳、カーブもある、途中に木もある、段差もある)を、千人以上が全速力で走るというのは危険きわまりない。
 将棋倒しになり、死者が出る可能性も十分ある。

 私は元来「怖がり」な性格であるから、絶対こんな行事に参加できない。
 主催者や、それを無批判に報道するTV局は、私から見れば、安全意識が低いように思える。
 
 もし死亡事故があったら、間違いなく訴訟沙汰になるし、いくら参加者が自分の判断で参加しているとは言っても、主催者は責任をのがれることはできないだろう。

 たしかにスポーツをやる以上怪我の危険はつきものであるが、この「レース」は度を超している。(つまり、普通のスポーツであれば、参加者が一定のルールを守れば大怪我はしにくいように出来ているものであるが、この「レース」は将棋倒し等の事態を招く危険がもともとありそうなれば参加者のルール遵守や心がけくらいのことでは大怪我や死亡の事態を防ぐことはできない。)

 「安全、安全・・・で伝統行事が失われていくのは寂しい」という声もあるだろう、その気持ちもよくわかる。
 が、やはり、限度があるし、この行事は限度を超えているのではないのか。
 年始早々のめでたい行事で死者・重傷者が出たら、元も子もない。 

 もっとも、「障害物もある神社の境内をだれが一番速く(どれくらいの速さ)で走破できるか」というコンセプトそのものはおもしろい。
 その「伝統行事の趣き」をなんとか活かそうとするならば、こういうのはどうか。
 
 たとえば、十日えびすの何日か前から、数日かけて、20人ずつくらいで予選を行い、それを勝ち上がったものたちで決勝「福男」を行う。
 そうすれば、かえって、何日間かが、地域をあげてのお祭り騒ぎになり、意外と参拝者も増え、重大事故の危険も小さくなる、「一石二鳥」なのではないか、とおもう。
 
 私が思うに、こういうの(予選・決勝制の福男選びへの変更)は、「伝統を壊す」ことではなく、「伝統」が現代にふさわしい「安全意識」を飲み込んで成長してゆくととらえられるのではないか、とおもう。
 宗教のことはよくわからないが、神様に感謝する行事なのだから、自分たちの命や身体を最大限大切にするかたちの行事にしたほうがいい、と私は思う。


nice!(1)  コメント(5)  トラックバック(2) 

nice! 1

コメント 5

 世の中にはもっと危険なお祭りもいっぱいあります。私自身は、祭というのはケでなくハレのものである以上、通常の常識から逸脱していること自体は咎められないという気がします。もちろんそれとて程度問題ですが。
 で、私がnice!を入れたのは、こーゆー危険なものをですね、みのもんた氏がめでたいめでたいと喜んでいたという部分に対してです。今や空気を読むことが必修となったこの日本で、その空気を作っている張本人(中森明夫氏の言)にしては発言が軽卒過ぎますよ。ホント、何とかなりませんかねえ、あのオッサン(とそれを持ち上げるメディア)は。
by (2008-01-12 00:39) 

tamara

「伝統」と「安全」ですが、これは意外と対立することが多いですね。伝統あるものに限らず、スポーツ的なイヴェント(サッカーなど)は、参加者、聴衆をあおるような所があるように思います。ちょっと危険なくらいでないとみんなの関心を呼び集められないという、陳腐な商業主義が底にあるように感じられ不愉快ですね。
いくらでも良い方法があるのに、わざと改善しようとしていないのでは。
by tamara (2008-01-12 10:51) 

ayu15

空気読めないのは人から嫌われて不便ですね。でも物事には副作用がありそうです。
空気読めないと、戦前よろしく、空気よんで世論がみんなで右向け右なんてやってる時に、それに水させるのは空気読めない人かもしれません。
by ayu15 (2008-01-12 21:45) 

hm

>shiraさん

 その みのもんた が今日は、風見しんごさんの長女が亡くなられた交通事故のニュースで、「交差点の右折は、道路交通法上は、徐行が義務なんですよ。それだけのことを守れば幼い命が失われることもないんですよ。」と熱く語っていました。今日は、大いに賛同できます。

 というわけで、みのもんたの場合、小倉さん(フジ 特ダネ)などと違って自分の意見をもって言うタイプではなくて、ニュースの構成・視点に忠実に自分の与えられた役割を「演じる」人のようですね。良くも悪くも・・・というか、彼に良くも悪くもないのかもしれません。
 貧困や孤独死について熱く語っているかと思えば、別の日には、最低賃金千円について「がんばってない人にも千円っておかしくないですか?」とか「法人税やすくして」とか言ってるし。

>tamaraさん

 おっしゃるとおり、良い方法を工夫することで、長期的には伝統もスポーツも栄える、と私は思うのですがね。

>ayuさん

 同感です。
 単なる思いつきですが、「空気よめ」とか「KY、KY」という感じの同調圧力は好きになれない私は敢えて「KY力」という本でも書いてみようか、と思ったりします。
 「空気よめ」じゃなくって、他者を尊重しよう、って何でちゃんとした言葉で言えないんだろう、と思います。
by hm (2008-01-15 11:47) 

ayu15

もし書かれたら宣伝させてもらいます。空気読むより、他者の尊重や他者への思いやりの気持ちがあるかですよね!
by ayu15 (2008-01-17 15:36) 

トラックバック 2