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Love,Peace & Green たりないピース2 (たりないピース (2)) [読書するなり!]

Love,Peace & Green たりないピース2 (たりないピース (2))

Love,Peace & Green たりないピース2 (たりないピース (2))

  • 作者: 宮崎 あおい, 宮崎 将
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/11/16
  • メディア: 単行本
 
 以前の記事 http://blog.so-net.ne.jp/h-m-d/2007-07-03 で紹介させていただいた,「たりないピース」の続編が出来ました。
 
 2025プロジェクトhttp://www.2025.jp/pc/index.htmlというのがあって,2025年を目標に地球を持続可能な状態にする!というコンセプトで活動されているとのことです。私も賛同し少しばかり寄付させていただいたことの関係で,プロジェクトの方が本を送って下さいました。
 
 これから読んでみるのが楽しみです。
 宮崎あおいさんと将さんが幸福度世界ランキング第1位のエコロジー先進国デンマーク,それから,地球温暖化で氷河を失いゆくグリーンランドを旅した写真+旅行記だそうです。
 
 この本のプロローグには,こう書いてあります。同プロジェクトの籠島康治さんという方の文章です。
 
(以下引用)
 言いたいのは,お金を求めて競い合う社会は,地球温暖化という問題のない持続可能な社会,豊かで幸せな社会と根本的に矛盾するのではないか,ということ。「豊かさ=お金(GDP)」,本当にそう言えるのでしょうか。
 豊かさや幸せって,なんなのか。いちばん大切なものはなんなのか。自分を救えなかったら,他人なんて,ましてや地球なんて救えるはずがありません。
                                        (引用終わり)
 
 「たりないピース2」の書評は後日書くとして,このプロローグの問いかけを受けて,今思っていることを書いてみます。
 
 私は人類のこれからを考えるとき,やはり,いま,人類は生物の進化の中で,ある壁をぶち破りつつある,と思っています。
 良い意味でです。
 
 というのは,生物は生きるために弱肉強食,争いあって,殺し合ってきたのでしょうし,人間もまた同じであげく世界戦争までやってしまったのだ,その後も環境破壊を続けてきた,と思います。
 「お金を求めて競い合う社会」は,今でももちろん戦争につながるし,また,仮に戦争にならなかったとしても(見た目上は,よりマイルドな形で)誰かの幸福や豊かさを取り返しのつかないほど奪うことを是とする社会になります。
 自分が大金持ちではない以上自分の経済力を保つ努力が必要という現実はありながらも,「お金を求めて競い合う」ことだけを是とする考え方をなるべくとりたくない,そう思っています。
 それが正しいのかどうか知りませんが,頭がそれだけになるのは私はキライ,という意味です。
 
 私は人類がその壁(殺し合い,奪い合いの壁)を,特に20世紀来突破しようとしている,と思います。
 パリの不戦条約~国際連合,軍縮の流れもしかり,また,むき出しの資本主義だけではなく多くの国で福祉を充実させようとしてきていることもしかり… 
 
 私は,欧米の市民革命にはじまる民主主義とか立憲主義,自由主義また個人主義の考え方に寄って立つ文章を書くことがおおいので,欧米「輸入型」の思考の人間と思われているかもしれません。言わば,旧来の日本人と対照的な欧米かぶれの人間,という分類をされるかもしれません。
 でも本心はちょっと違います。私の価値観の大事な部分をこないだ電車に乗ってゆっくり考えてみると,この2つ,
 
人どうしの尊敬,敬意(リスペクト)
 
他人の立場を想像すること(想像力,イマジネーション)
 
これらではないか,と思っています。これに適うから,自由主義も立憲民主主義も個人(尊重)主義も私の考え方の基本になっている,という順番です。
 本当は昔々からの日本人が大切にしてきた心にこういうものはあるのではないでしょうか。敬語が発達してきた文化の中に,これがないはずがありません。(もちろん外国にもあるはずです。)
 
 そして,人類は,国や人種,民族も超えて「人どうしの敬意」「他人の立場の想像」というものを共通認識として獲得しつつあり,それによって,今までの殺し合いや金もうけのし合いの在り方の「壁」「限界」を脱して,新たなステージ,新たな豊かさや幸福の境地へすすもうとしているのだ,と思っています。(だから,世の中悪くなっている,とは思っていません。心痛めることはありながらも,よくなっているし,これからよくなり続けると思っています。)
 
 もちろん,私はそれを体現出来ているという立派な人間なわけがありません(正直,矛盾する行動をとっていることもたくさんあるでしょう。)が,少なくともそういう在り方が好きで,なるたけそうなりたい,と思っています。偽善や矛盾をかかえつつも、思う方向を目指す、そういうもんだろう、と思います。
 だから,社会ニュースをみても「人への敬意」に反する事柄に胸を痛めるし,政治の話題でも「人への敬意や他者(特に弱者)の立場への想像力が感じられない」政策には反対の立場を取ります。戦争が嫌いな理由も同じです。
 
 してみると,環境問題,これは,
 
2025年を生きる私たち,また私の子ども,孫の世界の人たちの立場に立って,想像力を働かせる(もっといえば,願わくば,そこに棲む生命あるもの全てへの想像力をも…)
 
ことができるのならば,自然,Love,Peace & Greenな振る舞いをする方向に人は向かっていけるのではないか,と思います。
 
 人類が,互いの存在に対する「敬意(Respect)」と「想像力(Imagination)」(これこそ,私の考える,人類が壁をつきやぶるキー)という宝物を大切にし,人類の置かれている環境を大事に生きてゆくために頭脳を駆使するのならば,またそういう在り方で生涯を過ごせるのならば,それはかなり深い意味での幸せを得ることにつながるではないか,と私は思います。
 
 そんな思いを持って,宮崎あおいさん将さん兄妹のデンマーク取材の様子を見てみたい。幸福を人が感じる社会の在り方の参考になれば,と期待しています。今から読むのが楽しみです。
  
 このブログの読者のみなさんも,是非,この本を読んでいただき,写真や宮崎兄妹の文章とともに,人類の本当の豊かさや幸福について,そして2025年の地球や私たちの姿,在り方について,考えを巡らせるきっかけにしていただければ…と思います。

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ayu15

最近医療制度・アフガン・地方とか取り上げています。
みえてきたのは、財政が目的になっている財務省でした。
なんか豊かさ・幸福が遠のいていく気がします。
by ayu15 (2007-12-13 19:17) 

hm

ayuさん
 うーむむ。省庁となってくると、人本来の豊かさ・幸福と別の論理が働いてきますからねえ,難しいもんですね。
by hm (2007-12-25 12:25) 

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