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まともで冷静な鳩山法相の発言~法律家の人口について [弁護士業について]

 日頃,政府や自民党の方針に対して文句ばっかり言っている私ではありますが,今回は大臣のこの発言に大いに賛成します。

 鳩山邦夫法務大臣のこの発言は,現場の実感としてもすごく頷け,また,日本の明日,市民生活と司法のあるべき姿を考える上でも,冷静でかつ堅実なものの見方である,と思います。外国や財界の要求に従って,勢いだけ,検証不十分なままで突っ走ろうとしてきた「司法改革」・法曹人口増加(先日の日記でも書きました→http://blog.so-net.ne.jp/h-m-d/2007-08-28)に,やっと,まともな視点で光が当たるのではないか,と期待します。

(ニュースより引用)

鳩山法相「そんなに弁護士いらない」法曹人口拡大に異議 

 鳩山法相は4日の閣議後記者会見で、司法試験合格者数を年3000人程度まで増やすとした政府方針について、「日本は訴訟社会ではないので、そんなに多数の弁護士はいらない。政府方針であっても、必要があれば直していけばいい」と述べ、3000人より減らすべきだとの考えを明らかにした。  法曹人口の拡大は司法制度改革の大きな柱だけに、法相の発言は議論を呼びそうだ。  

 法相はまた、法科大学院側から「新司法試験の合格率を向上させるため、3000人より増やすべきだ」との声が上がっていることについて、「法科大学院の経営がうまくいくかどうかは優先的事項ではない。優秀な人が司法試験に通ればいい」と語り、合格率の低下で大学院間の生き残り競争が激しくなるのはやむを得ないとの認識を示した。今年の司法修習生で卒業試験の不合格者が71人と多数に上ったことに関しては、「(修習生の増加で)質が低下している可能性がある」と言及した。

                                   (2007年9月4日14時39分 読売新聞)

 鳩山大臣の発言を読んで,なかには,

「優秀な人が司法試験に通ればいい」とか「(修習生の増加で)質が低下している可能性がある」とか,

なんか,鳩山さんは東大出,それも東大でも成績超優秀だという話の,超エリートだけにや~~な感じ~~~と思われる人もいるかもしれません。

 

 でも,司法制度を利用する市民の立場に立ったら,鳩山発言は決して「エリート主義」などではなく,市民が自分の人生に関わる大切な問題を安心して任せられる社会を発展させてゆくという視点に立っていることが分かるはずです。

 では問いましょう。

「裁判官,検察官や弁護士が いいひと だったら,あなたはそれいいですか?」

「弁護士が サービス精神旺盛 だったら,あなたはそれでいいですか?」

 

 もしそれでいいなら,私たち弁護士もラクなものです。「気だて」「営業努力」でメシが食えるのですから。

 でも違うでしょうと。

 では,次に問いましょう。

「裁判官,検察官や弁護士が 勉強熱心・一生懸命 でさえあれば,あなたはそれでいいですか?」

 

 うーん,いいのかなぁ…。一般に,勉強熱心というのは知識を仕入れるのに熱心ということですが,それだけでいいですか?

 勉強はいっぱいしているみたいだけど,うんちくはいっぱいあるけど,話しててもポイントが分からず,適切な判断ができない,でも,この弁護士さんは一生懸命がんばっているからいいじゃない! それでもいいですか?

 …やっぱり,それじゃ困りますね。

 

 とすると,法律家(「法曹」といいます。裁判官,検察官や弁護士)は,まず,

しっかりした法律知識の理解,適切な判断能力,論理力・思考力・言語能力

が備わっていないと市民の期待には応えられないはずなのです。

  こういう能力が優秀でなければいくら「いいひと」でも「勉強家」でも,そんな弁護士は,私が利用者だったら絶対イヤです。(自分がなっているから優秀だ,という意味ではありません。自分はある時点で求められている最低限の能力試験をパスしたに過ぎず,私は,弁護士をやり続ける以上は,こういった能力を絶え間なく磨きつづける,また,能力を発揮できるだけのコンディションを常に整える必要があるのだと理解しています。)

 

 まず,法科大学院(ロースール)の問題はこうです。

 私も甲南法科大学院の教員ですが,法科大学院は明らかにたくさん作りすぎました。これは,法科大学院が出来た当初から言われていました。あちこちの大学からの「ロースクールを作りたい」という希望を政府が断り切れなかったのです。

 「これだけ作ってしまったから,合格者を増やさないと経営が成り立たない。」というのは,大学の経営には配慮していますが,それで「法律家の合格水準を下げる」というのは,市民の安心安全を無視しています。市民の側ではなくて,大学経営者の側を向いた考え方です。

 そんなのはイカン!という鳩山法相の意見は極めてもっともです。

 

 次に,司法修習生の「質の低下」の問題です。司法研修所の卒業試験の不合格71名について,です。

 ハッキリ言って,鳩山法相がいう「質の低下」も,やっぱり現場の実感としても否定できません。

 個々の修習生(法律家の見習い)の人たちには,人それぞれ優秀な人もそうでない人もいるでしょう。だから,「今の修習生があかん」と一概には言えません。

 しかし,制度として,私が修習生であった時代(平成10年~12年ころ)と比べると,

・ 広い門になっている(私の時700人 今1500人 倍である)

・ 研修期間が短い(私の時2年 今1年 半分である)

という違いがあって,単純に言えば,「受かりやすさは倍なのに,研修は半分の時間」という状況なのです。

 個人個人の修習生が悪いわけではなく,システムとして,「質が低下する」としか考えられない仕組みになっているのです。だから「不合格」になった人は,気の毒な面があります(私のときと比べると,明らかに,必要な能力を習得する環境に恵まれていません)。

 そもそも司法研修所の「卒業試験」は,当時は,(私の時期の2年間の研修を受けていた環境を前提とすれば)「難しい試験」とは言われていませんでした。今も,昔と比べ採点基準そのものは決して厳しくはなっていないと聞きます。

 それも,司法研修所の教官が「卒業試験」を実施して採点するのですから,教官は「教え子たちをできるだけ落第させたくない」という一心です。なのに,「不合格にせざるをえない」というのは,教官としても胸の内が苦しいものの「司法サービスの最低レベルを保つため,市民のためやむを得ない。これで合格にさせたら,市民に申し訳ない。」という苦しみの中での苦渋の選択に違いありません。

 なので,鳩山法相の,

司法試験の合格者が増えたことで,「修習生の質の低下」つまり「法律家の質の低下」になっているのではないか?

という指摘については,私も法律家の一員として言うのがいやだけど「質の低下はある」と言わないと(特に,市民の皆さんに対して)嘘になると思います。

 

 前回の私の日記http://blog.so-net.ne.jp/h-m-d/2007-08-28では,

「弁護士が増えすぎて,過当競争になったり,経営難になって,よくないことが起こるのではないか?市民に被害が出るのではないか?」

という観点で書きました。これはこれで問題だと思います。

 それに加えて,鳩山法相は,より本質的な問題,

「弁護士(裁判官,検察官)が,「市民の大事」を任されるに足りる能力を保てるのか?」

という視点から,この問題にズバッと斬り込んでくださっています。

 

 この法相の発言が,イケイケドンドンの司法改革ではなく,地に足の着いた,市民の安心できる司法改革へと軌道修正がなされていくことのきっかけになれば,と思います。

 明日は日弁連の委員会で東京出張です。その足で,鳩山大臣の議員事務所にも御邪魔して,上記のことをお伝えしたい,と思っています。


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mai

村上さんたちの懸念されている問題について、ようやく本質的な議論が始まりそうで、私もほっとしています。何の分野でもそうだと思いますが、特に国が統一基準を作る資格職関連では、真に科学的で地に足がついた議論が欠かせないと思います。>明日は日弁連の委員会で東京出張です。その足で,鳩山大臣の議員事務所にも御邪魔して,上記のことをお伝えしたい,と思っています。ナイスな行動力です!時間があれば、教育基本法やテロ特措法についても、意見を言っていただけませんでしょうか(便乗しすぎでしょうか?(笑))
by mai (2007-09-04 23:02) 

ayu15

日下さんのコラムで、会社が社員みんなのものから、アメリカ型の株主のものになった。これからは訴訟社会になるとか、かかれていました。

どうなるのでしょう?
by ayu15 (2007-09-04 23:08) 

hm

>maiさん
 
 コメントありがとうございます。
 この問題について、3000人は多すぎると思うけど、今より全然増やしちゃだめとは思っているわけでもなく、増やすか増やさないか何人が良いのか、もっときっちりと検証しよう、というのが私の意見です。
 質を確保しながら数も市民の権利を守るのに十分な数が確保されるように地に足をつけて議論しなおすことが必要だと考えています。

 鳩山大臣のところはこの問題だけに絞りますが、他の議員さんのところは教育法制について話にしにいく予定を既に組んであります。 
 なんせ、田舎弁護士はめったに東京に行きませんので、用事を欲張っておかなければ損ですから 笑


>ayuさん

 うーん。何かにつけアメリカ化なんですね。
 ただ、そこに暮らす人によって国民性なども違うわけで、私たちはどんな社会と司法のあり方を欲しがっているのか、そういうのを考えるべきなんでしょうね。
by hm (2007-09-04 23:42) 

つくい

 村上さんの意見は,とても現実的なお話で,新聞紙上を踊っているテキトーな数字を並べ立てた理想論(弁護士増員論)とは,全然レベルが違います。
 いわば,ホントの話ですよね。鳩山さんにはズバと本質を切り込んできて下さ~い!
by つくい (2007-09-05 07:53) 

 私の業界の状況をお話しますと、最近あちこちの自治体で「質の高い教員を確保せよ」というのが課題になってます。要は定数を増やすことが予算上ムリなので、力量の高い人間を採用して、人数はそのまま(=予算はそのまま)で全体の教育力を上げようという狙いなんでしょうけど。
 まあムリでしょうね。
 教員は弁護士と違って、とにかく頭数がたくさん必要です。そんなにたくさん「質の高い教員」を集められるのか?しかも、勤務条件は年々悪化してて、時間長いし、残業手当ないし、オマケに公務員は恵まれてるとか非難されて給与はダウンしてると。
 つまり、「いい人材を、大量に、より劣悪な条件でゲットする」
 いくらなんでも、欲張り過ぎじゃないっすかねえ。
 
by (2007-09-05 22:22) 

wakuwaku_44

村上さんへ

弁護士の数は、「少なすぎる」ことはあっても「多すぎる」ということはないと思います。
弁護士は「国家資格」でもあるわけですから、何も弁護士資格を取得したからといって、必ず弁護士にならなければいけないということでもないと思うのです。
近年、コンプライアンスが企業倫理で問題になってきていますので、企業の法務部に弁護士資格がある社員が雇用されても、仕事はたくさんあると思います。(契約書関連なんて、細かいですからね)

だからといって、「レベルを下げてまで増やす」必要はどこにもなく、これは「結果的に司法試験に合格した人が多くなった」というのでいいんじゃないかなって考えます。


「弁護士が サービス精神旺盛 だったら,あなたはそれでいいですか?」というご発言が村上さんからありました。
これについては、村上さんには多少辛口になりますが、ご了承ください。(といっても、「な~~んだ」というものですけど)

「『しっかりした法律知識の理解,適切な判断能力,論理力・思考力・言語能力が備わっていないと市民の期待には応えられないはずなのです。」と述べておられますが、弁護士が必要とする『サービス精神』とは、実はこれなんです。
これができないで「気立てが良い」という評価を得ることはできませんし、ましてやこれが「営業努力の基本中の基本」です。

何も難しい話ではありません。
「デザインはいいけど、運転しにくい車」ではなく「デザインはまぁまぁだが、運転しやすい車」を人は選ぶ。
自動車は、自動車本来の性能が要求の水準を満たしていることが「最低条件」であり、デザインは「付加価値」です。「最低条件を満たした上で」なければ、付加価値をいくら上げても意味はありません。

もし、そのあたりを勘違いなさっている法曹界の方がいらっしゃいましたら、注意喚起していただけますでしょうか。
「本当のサービス精神とは、本来の仕事をしっかりこなすこと。それなくして、格好や外見は意味がない。」

JR福知山線の事故も、まさに「本来の仕事をこなす」ということを忘れ、「売上の源泉たる乗客の信用を獲得する努力を怠った」所業だったと、私は思っています。
by wakuwaku_44 (2007-09-06 01:28) 

hm

つくいさん

 鳩山事務所いってきました。秘書の方が20分くらい話を聞いて下さいました。微力ながら,こういうことも積み重ねですね。


shiraさん

 教員については,まず人数にも関連しますが,今の状況は条件が悪すぎますね。本来の教える内容以外に頭をさかなければならない時間が多すぎ。まずは予算の不足ですね。
 司法修習生についても,問題は共通する部分があります。増員によって研修の中身が逆に頼りないものにならざるを得ないという。増員にみあった研修というのが追いついていない部分があります。
 (そもそも増員が無茶です。)


wakuwakuさん
 仰るご趣旨「本来の仕事」というところ全くその通り,私の言いたいこともその通りです。
 
 ただ,弁護士の仕事は結構特殊な点があることに留意していただければと思います。
 つまり,無免許の「事件屋」(暴力以外に紛争解決能力を持たないのに,もめごとに介入して,無知な市民から暴利を巻き上げる)が跋扈している現状には留意されるべきです。
 つまり,弁護士は入り口でよく絞っておかないと,悪質な(あるいは紛争解決能力に乏しい)弁護士がいても一般市民の立場からは殆ど見抜くことが難しく,また被害が甚大であるという点です。
 (我々も弁護士会も注意を絶えず呼びかけていますが,一般市民としては「事件屋」ですらそれが悪質な存在とは見抜きにくいのです。トラブルで混乱している人の立場に立ってみれば,それも全く仕方ないことです。)

 なので「多ければいい」。資格があっても別にみんなが弁護士をしなくてもいいから,問題ない。
というわけにはいきません。
 例えば「トラブルに付け込んで金もうけをする」という目的だけを追及すれば,アコギな金もうけはいくらでも可能です(現にやっている人もいるでしょう)。ということは,「まともには食えない」多くの人がそれをやる危険性が高いというわけです。
 もちろん事後的に懲戒処分等はできますが,弁護士資格を与えると事前規制はできないし,また市民の被害回復は極めて困難です。
 いわゆる「倫理研修」などで防ぐことなどできません。 

 理念的な意味では御説に全く異論がないのですが,現実を考えると上記の通りの恐れはまさに目に見えます(現に近いことがたくさん起こっています)。
 その点の弊害が完全に払拭される良い方法があるなら,多ければ多いほどいいと言っても全然問題ないのですが…
by hm (2007-09-06 09:52) 

hm

 必ずしも,まめにレスをしない私ですが極めて大切なことなので,細かく補足しておきます。

wakuwakuさんの
>近年、コンプライアンスが企業倫理で問題になってきていますので、企業の法務部に弁護士資格がある社員が雇用されても、仕事はたくさんあると思います。(契約書関連なんて、細かいですからね)

この御意見です。

 これ,私も昔そう思っていて,日弁連自身もそう思って,司法人口拡大に賛成したというのは紛れもない事実です。
 それくらいですから,wakuwakuさんがこういう発想に立たれることは極めて自然なことだと思います。

 ただ,それが,今年二月の調査(日弁の企業などへのアンケート)によって,そういう需要が殆ど無い(社内弁護士の採用希望が極めて少ない)ことが判明しました。
 
 企業としては,紛争はもちろん契約書のチェックにしても,外部の顧問弁護士に相談してこそ安心できるのであり,いくら弁護士資格を持っていても社内弁護士は社員なので客観的視点という信頼が十分できないので,それだけで役立つ場面が少ないという考えのようです(厳密に言えば顧問ですら,客観性については?なんですが,社内となるとなおさらなんですね)。
 つまり,wakuwakuさん仰る,またかつて私も日弁連もええんちゃうか?と思っていた「社内弁護士」というのは,どうも企業からしても,中途半端で,余り積極的に必要としていないようなのです。

 日弁は「人口拡大」路線でしたから,アンケート実施の際は,「そういう需要が確かにある」という答えを期待していたのかもしれませんが,それが反対の答えだったので,執行部の方は慌てているのではないか,というのがおおかたの見方です。
 それでも,日弁は,これをうけて「人口拡大はあかん」と言いだしたのではなくて,「社内弁護士が役に立つことを分かってもらうようもっと広報する必要がある」という態度です。(ぶっちゃけ,私は不満です。)
 私は,そんなことはいくら「売り込んでも」難しいだろう,いらんもんはやっぱりいらんのではないか,と懐疑的です。

 つまり,「需要」についても,様々な事実が少しずつでてきて,政府方針3000人(これは弁護士だけでなく法曹全体ですが)が打ちたてられたときと見込みが違ってきたということがあり,それも考えて,十分に地に足をつけて司法改革の方向性を議論し直さなければならない時期だとおもいます。
by hm (2007-09-06 10:27) 

wakuwaku_44

村上さんへ

社内弁護士の話ですが、それは、あくまでも「例えば・・・」の話ですから、私はそれにこだわっているわけじゃないですよ。
問題があるものは問題があるわけですし、また、いらんもんはいらんのですから。(笑)

あと「弁護士は入り口でよく絞っておかないと,悪質な(あるいは紛争解決能力に乏しい)弁護士がいても一般市民の立場からは殆ど見抜くことが難しく,また被害が甚大であるという点です。」というのは完全に同意です。
別に私も、「入り口を絞るな」ではなく、村上さんが仰る「入り口を絞る」という点ではまったく同じです。
私の発言の趣旨は「別に無理してまで弁護士の数を制限しなくても良い」という程度のものであり、司法試験のレベルや弁護士資格付与の条件を下げたり緩和することを容認するものではないので、そのあたりの誤解を生まないように、私も注意しないといけないですね。

あと、これは村上さんに反対されるかもわかりませんが、私は弁護士資格の厳格化を求めたいと思います。
これは知識よりもむしろ倫理面での厳格化。
例えば、刑事事件における国選弁護人活動や民事事件における「カネがない人の救済」をどれだけ図ったか、ということを弁護士が相互に啓発しあうことの推進です。
細かいことを述べるほど知識がないので、ツッコミはご勘弁いただきたいですが(笑)、弁護士会の良識を高める方向性で弁護士の「倫理的な質」も高めてもらいたいな、と願うものです。

実際にできるかどうかは・・・・難しいですけど・・・・。
by wakuwaku_44 (2007-09-06 12:34) 

心如

 弁護士や、医師、教師などは、合格者数を増やせば、同じ試験を受けて、今までは不合格だった人を、合格者として扱う以上、質が低下するのは止むを得ないと思います
 特に、少子化の影響で、学生の絶対数が減少しているのに、合格者を増やせば、質が下がる一方だと思わざるを得ません
 それでも、本当に必要なら仕方がないと思いますが、本当はそれほど必要ではないとしたら、役人の考えることは理解できませんね
by 心如 (2007-09-06 20:46) 

wakuwaku_44

小父蔵さんへ

>特に、少子化の影響で、学生の絶対数が減少しているのに、合格者を増やせば、質が下がる一方だと思わざるを得ません

前述の『今までは不合格だった人を、合格者として扱う以上、質が低下する』というコメントには反論の余地がまったくありませんし、私も全面同意ですが、ただ、だからといって「合格者数が増える」ことと「質の低下」は必ずしも一致しないと考えます。

都合よく解釈をすると「それだけ受験者のレベルが上がった」ということであれば、なんら問題ないものだと思うのです。
だからといって、今の政策のように「レベルを下げて増やす」というのには賛成できません。

やるならば「よりたかいレベルの学習ができるようにする」という「プロセスの向上」を図らなければならないと考えます。
ただ、そちらの方が、結果的には『適正な人数』でおさまるんですよね、科学では説明できない事象ですが、世の中というのは、ほんとにうまくできているなと。(笑)
by wakuwaku_44 (2007-09-09 20:55) 

心如

wakuwaku_44さんへ
 第三者のブログで、議論するのは好みませんが、
 「合格者が増えることと、質の低下は必ずしも一致しない」なんてのは、
 あなたの主観的な見方であるとしか思えません。
>都合よく解釈すると…
 都合よく解釈して、なんら問題がないと思うのは勝手ですが、それでは何も解決しないと思います
 学生の総数が少子化で減少している
 合格者の数を減らせば、質の低下を防止できると考えるほうが、妥当であると考えるのが普通です
 また、ご自分でも、「今の政策のように『レベルを下げて増やす』というのには賛成できません」などと、まさに支離滅裂な内容になっておられますが

 「必ずしも一致しない」という言い回しは、100%一致しないといっているだけであり、99%は一致している場合にも使用できる便利な言葉なので、評価に値するのかどうか疑問ですね
by 心如 (2007-09-12 00:22) 

hm

wakuwakuさん 小父蔵さん

 積極的な議論ありがとうございます。

 小父蔵さんの書き込みで終わっていますので,wakuwakuさんがものたりない思いをされるか,と思いますが,

「合格者増える→質の低下」について,

・ (100%ではない,論理必然ではないという意味で)必ずしも一致しない (wakuwakuさん)  けれど

・ (現実の司法試験ならかなり)相関関係がある (小父蔵さんの御意見) 

だと管理人は思いますし,お二方もこの二点においてそんなに違いないんじゃないか,と想像します。ので,今回の御議論はこの辺にしておいてくださいませんか。

 コメントされる方同士の議論もまた有益とは思うものの,人によっては,横レスされると書き込みにくいという性格の方もおられるので,その辺は,管理人の方針としては,(コメント者同士としては)「穏やかな」ブログコメント欄という在り方を求めていますので,御配慮くだされば幸いです。
※ すなわち,wakuwakuさんや小父蔵さんほどに,精緻な議論をされる方だけでなく,「時間はないけど,ちょっと思ったことを書いてみる」というノリで書き込んでくださるかたもコメントしていただきやすい雰囲気を大切にしたい,と管理人は思うのです。

 以前も不本意ながら,他のコメント者への攻撃調の強い横レスを削除させていただいたことがあります。

 もちろん,私の意見に対する御意見は,批判であれ何であれ,何なりといただければ結構です。(上は,あくまで,コメント者同士の話です。)
by hm (2007-09-12 09:54) 

wakuwaku_44

小父蔵さん、村上さんへ

反論とか議論という類ではなく、「あれ?ちょっと、そう決め付けられるもんじゃないなぁ。」っていう程度のことですよ。
真っ向反論とか、そういうものではありませんし、第一、現状の司法試験の制度を維持しつつ、「ただ単に合格を増やした」というだけならば、確かに「質は低下する」となることに異論はありませんから。

ただ、先ほども言ったように「受験者のレベルが上がった」というのであれば、すなわち「合格ラインを変更しないけど、合格点に達する人間が多くなった」という状態であれば、質は低下せずに人数が増える、ということですからね。

そういう点がある、ということを言ったまでですから、あまり反論として受け止めていただきたくないなと思います。
言葉がきつかったのであれば、お詫びいたします。
by wakuwaku_44 (2007-09-12 13:58) 

hm

wakuwakuさん 
 
 大丈夫です。ご趣旨はよくわかります。
 私はブログ主なのでいいのですが,コメント者間はただの見ず知らずであることによる御配慮を一般的にお願いしたものと捉えていただければ,と思います。
 今後とも宜しくお願いします。
 
by hm (2007-09-12 16:09) 

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