今日で、神戸シーサイド法律事務所も仕事納めとなります。
 
 新年は6日から開所しています。よろしくお願いします。

 
 私個人としては、今年は何と言っても、兵庫県弁護士会の副会長としての業務があり、例年に無く時間に追われる日々でした。
 依頼事件の処理が滞ることがないように、ということがいつも頭にある日々でした。
 実務的な処理が遅れることはほとんど無かったと思うのですが、どうしても、弁護士会の業務に時間を取られることが多いので、依頼者の方その他の方と「じっくり話す」時間を取ることが難しいときが多く、それゆえにご迷惑をおかけした方にはこの場を借りてお詫び申し上げます。

 弁護士会役員としての業務では、弁護士会の外の業種との接点も多く、「社会の中で、他業種からみて、弁護士会や弁護士がどのような位置づけにあるのか?」など、普段と違った視点に触れることがたくさんありました。

 また、役員として対処するべき事柄は、多くの場合、アンラッキーな「トラブル」であったりして、「運悪く、どうしようも無い状態で困っている人」への対処という局面が多くあり、普段の自分の感覚だけで割り切ることができない事態に、考えさせられることが多かったです。

 以前にもブログの記事で書いたことがあるのですが、平成14年頃から本格化しだした司法制度についての「改革」については、上手くいっていない部分があります。
 弁護士の人口が増えて、「動きの良い若手」が増えたことはプラスです。
 ですが、弁護士の世界も、経済的な自由競争にもろに晒されるようになり、多くの弁護士が使命(人権擁護と社会的正義の実現)と現実的生き残り(事務所維持のための売上げ獲得)との間に挟まれて、在り方に悩むようになりました。
 弁護士会の業務をしていると、その状況がありありと分かりました。
 弁護士と言っても、皆、生身の人間です。生身の人間が、自分の生活もある中で、他人の一大事を扱っているわけです。これ自体、もともと恐ろしいことなのです。
 制度として、食うか食われるか弱肉強食の経済競争に過度にさらされることなく、弁護士は、「弁護士として正直に活動すれば報われる」というシステムへ近づけるべきだと改めて強く思いました。
 
 ともかく、色々なことを学ばせて頂いた1年でした(役員任期は3月まで残っていますが)。
 関わった全ての方に、お世話になりありがとうとざいました、と申し上げます。

 新年もどうぞよろしくお願いします。

                                          弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所