事務所を構えず携帯電話だけを使って高金利で違法な貸金業を営むヤミ金融「090金融」の被害が急増している。弁護士や被害者の会で作る全国ヤミ金融対策会議による告発件数は5年間で8倍以上に増えた。警視庁など捜査当局は090金融の取り締まりを強化、出資法改正による厳罰化も進んでいるが、業者が摘発逃れの手法を次々と生み出す「いたちごっこ」が続いている。【曽田拓】
対策会議は02年から、ヤミ金業者の全国一斉告発をしている。02年に業者の電話番号が特定できた告発は2318件。このうち携帯電話が連絡先となっている業者は4%弱の90件にとどまった。
その後、03年をピークに固定電話を使う業者の減少傾向が続くなか、携帯業者の告発は増加傾向。05年から2年連続で300件を超え、07年は742件と全体の60%近くを占めるまでになった。
顧客とも会わずに融資する090金融は、他の違法業者に比べて摘発が難しい。最近はレンタルの携帯電話を使ったり、利息の振り込み用に返済の滞った顧客から買い取った口座を利用するなど、違法融資が発覚しないよう工作をするケースが多いという。
警視庁生活経済課が07年摘発した事件でも、巧妙な摘発逃れの手法が浮かび上がった。9月に逮捕されたグループは、東京都内のカラオケボックスを転々としながら営業を継続。11月末に摘発された2グループは、最もリスクの高い現金の引き出しをアルバイトに担当させていた。
都貸金業対策課によると、全国の貸金業の登録業者数は02年度末の2万6281業者から昨年度末の1万1832業者に減っている。対策会議事務局長の木村裕二弁護士は「違法業者全体は減少しているが、携帯と口座だけで始められ、摘発も逃れやすい090金融を始める業者は増えている。ヤミ金融が使う他人名義の口座や携帯電話を迅速に凍結できる被害防止策が望まれる」と話している。
毎日新聞 2008年1月15日 15時00分 (最終更新時間 1月15日 16時04分)
(引用終わり)
さて、ヤミ金融には、警察も手を焼いている、とのことです。
本当は、ヤミ金融は営むこと自体が犯罪なので警察に一網打尽にしてほしいと思いますが、確かに、ケータイ番号しかなければそれをすべて検挙するためにはものすごい人員と労力が必要で、本気でやれば、日本の警察機能がそれだけにかかりっきりになってしまうくらいかも知れません。(でも、やってほしいものではありますが・・・)
そんな現状の中、とりあえず、090金融からの過酷な取り立てに怯えている人には知っておいてほしい重要なことがあります。
090はやってこない
ということ。つまり、電話口でいくら脅しをかけてきても、実際に「やってこない」のです。
「やってこない」理由は至ってシンプルで、1つは、もともと犯罪をしているのでのこのこ出ていたら捕まる恐れがあるということ、もう1つは、ヤミ金融は一般に小口なのでいちいち取り立てに行っても費用対効果の面で採算が合わないということです。
つまり、
090がつかまらない
のも
090はやってこない
からなのであって、人の家にのこのこ「やってくる」ようではすぐ捕まる、というわけなのです。
なので、「ヤミ金融」被害にあっている人が抱えている問題が、ヤミ金融の取り立てに怯えているということだけならば、
電話を無視する
ことさえできれば解決します。または、「電話番号を変える」などでもOKなわけです。
または、取り立てを受けても、
「いくら言われてもお金がありません。警察に相談したら、電話のテープに録音するように言われたのでテープ録音していますが、もしこれ以上言いたいことがあるならいくらでもどうぞ。」
といって電話を「オンフック」「スピーカー」にして受話器を置いてしまうといいでしょう。
受話器を手に握っていると恐怖感から逃れられませんが、いったん受話器を手放してしまうと、不思議と怖さがなくなるものです。
業者は電話を切ってまたかけてくるということが何回かあるかもしれませんが、ひたすらこういう対応を繰り返し、それをつらぬけば、これ以上やっても無駄と判断していつかは必ず取り立てはやみます。
一方、「絶対やってはいけないこと」は、
職場の連絡先や(親、兄弟などの)他人の連絡先を教えること
です。これは最悪です。迷惑を拡大することになります。その気持ちにさらにつけ込まれることになります。
しかし、すでに、他人の連絡先を教えてしまった場合でも、その他人にも事情を話し、その他人も一緒に上の「無視」または「言いたければどうぞ」対応を貫いてもらえば、なんとかなります。
ということなのですが、090金融、ヤミ金融以外にそもそもサラ金の借金などがあるという場合は、その借金のことそのものを解決する必要があります。
自己破産をするべき場合もあるし、またサラ金の「利息とりすぎ」が大きければそれを再計算することによって問題が解決する場合もある(以前の記事参照http://blog.so-net.ne.jp/h-m-d/2007-08-17)ので、弁護士に相談していただくことをおすすめします。