私がよく扱う投資詐欺(いわゆる,儲け話をネタにする詐欺)商法被害事件など,変な勧誘電話は後をたちません。

 私のところにもかかってくることがある。てっきり,私が取り扱っている事件のことで(つまり,相手方・敵方として)電話がかかってきたのかと思ったら,私に対する勧誘だったりして,笑ってしまうときがあるくらいです。

 こういう勧誘電話でも,「電話をガチャンと切ることができない人」「相手の話をちゃんと聞こうとしてしまう人」などとてもいい人が引っ掛かってしまうケースがあります。そして,騙されて自分の全財産を根こそぎ奪われたり,また,明らかに不必要な品物を高額のローンで買ってしまったりするケースの被害相談がいつまでも絶えません。

 こういう人の善い心根や正直さにつけこむ悪質商法はいち早くなくさなければならない,と思います。が,いくら消費者問題を扱う弁護士ががんばっても,規制が強化されても,いたちごっこは当面つづいてくでしょう。

 そこで,今日は,消費者のみなさんの自衛策として,私が聞いた勧誘撃退例を紹介します。(実は,みんな私の身近なひとばかりですが)

 

1 家のリフォーム勧誘の撃退

 60歳代女性M子さん。

 家に訪問勧誘のリフォーム業者がやってきました。

業者「オタクの屋根をみせてもらうと,相当がたが来ているのが分かります。リフォームを施さないと,もし次に大きな地震がきたら,家がもたないでしょう。」

M子さん「はあ!?うちの屋根がですか?地震がきたらって?そんなもん,持つわけないじゃないですか。何せ,阪神大震災で半壊になっても何の修理もしていないんですから。」