弁護士向けのマニュアル本を買って、読んでいます。
とても勉強になる本なので、感想(★5つ!だと思います)を書きます。
「誹謗中傷」なんともいやな響きです。
ですが、インターネット時代に生きる以上、これも現実にあるリスクとして、対策を考えて生きていくしかありません。
弁護士の仕事というのも、時々刻々と変化する世界の中で、新しく起こってくる「困った事態」に対応していかなければなりません。
依頼する人は、普通は、「経験豊富な」弁護士に依頼したいと思うものです。
ですが、必ずしもそうはいきません。
特に、インターネットの分野などになれば、経験豊富の弁護士でも登録したての弁護士でも、どうしても「手探り」で進めなければならないものが多数あるからです。
例えば、
ある会社の悪口をネット上の掲示板に書かれたことへの対処
というのも、比較的新しい課題です。
少なくとも、この手の悩みが増えだした当初は、誰にとっても新しい課題でした。
その中で、経験があろうがなかろうが、手探りで、ある弁護士は自分のインターネットの知識を活かしながら、ある弁護士はインターネットに関する基礎知識から自分で勉強しながら、また、「プロバイダ責任制限法」による請求や、裁判上の仮処分手続などの手段を活用して、解決を図ってきた、というのが2000年代以降のこの分野の話です。
そうして、今、「手探り」状態から事件に取り組んできた弁護士の得てきたノウハウ・知識などの先進的な部分は、こういう風に「マニュアル」と題する弁護士用の書籍として出版されています。
著者の先生がこれまでに蓄積してきたノウハウ・知識をまとめて記してあるほか、「よくある相談事例」に時系列的に対処していくケース解説など、インターネットに対して特別な知識を持たない多くの弁護士にとっても、非常に分かりやすい本に仕上がっています。
私も、やはり、日頃おつきあいさせて頂いている企業の方、あるいは、個人でビジネスをされている方と話すと、多くの方がネット上での風評被害を意識されています。
私も相談を受ければその都度色々調べてアドバイスや対処をしてきましたが、インターネット上の問題はそもそもグレーな領域も多く、もやもやの残る点がたくさんあったのですが、この本を読んで疑問が解消された点がありました(逆に、「ああ、やっぱりこの分野の第一線の弁護士から見ても曖昧な領域なんだ」と分かった部分もありました)。
ネットだからと言っても、人の迷惑を顧みずに「言いっ放し」「書きっ放し」ということは良くないことだと思います。
ただ、モラルの問題を訴えても、実際に起こったことに対処できなくては、害が続いてしまいます。
そうそう、よくインターネットの「匿名性」と言われますが、この本では「インターネットには完全な意味での匿名性は存在しない」というのが法的対処を行ううえで一番重要な知識であると書かれています。
簡単に言えば、ネット上で行動には必ず足跡が残る、ということですが、じゃあ、その「足跡」ってどんな形をしていて、どういう風にすれば見えるの?追えるの?という疑問にも、この本は答えてくれます。
私も自分がこの種の相談を受けたときなどにこの本を活用しようと思いますし、また、弁護士以外の方でも、ネット上での困った書き込みに対してこんな方法があるということを知ることは良いことだと思います。
(全く面識ありませんが一方的に)著者の先生に感謝したい一冊です。
神戸シーサイド法律事務所 弁護士 村上英樹
とても勉強になる本なので、感想(★5つ!だと思います)を書きます。
「誹謗中傷」なんともいやな響きです。
ですが、インターネット時代に生きる以上、これも現実にあるリスクとして、対策を考えて生きていくしかありません。
弁護士の仕事というのも、時々刻々と変化する世界の中で、新しく起こってくる「困った事態」に対応していかなければなりません。
依頼する人は、普通は、「経験豊富な」弁護士に依頼したいと思うものです。
ですが、必ずしもそうはいきません。
特に、インターネットの分野などになれば、経験豊富の弁護士でも登録したての弁護士でも、どうしても「手探り」で進めなければならないものが多数あるからです。
例えば、
ある会社の悪口をネット上の掲示板に書かれたことへの対処
というのも、比較的新しい課題です。
少なくとも、この手の悩みが増えだした当初は、誰にとっても新しい課題でした。
その中で、経験があろうがなかろうが、手探りで、ある弁護士は自分のインターネットの知識を活かしながら、ある弁護士はインターネットに関する基礎知識から自分で勉強しながら、また、「プロバイダ責任制限法」による請求や、裁判上の仮処分手続などの手段を活用して、解決を図ってきた、というのが2000年代以降のこの分野の話です。
そうして、今、「手探り」状態から事件に取り組んできた弁護士の得てきたノウハウ・知識などの先進的な部分は、こういう風に「マニュアル」と題する弁護士用の書籍として出版されています。
著者の先生がこれまでに蓄積してきたノウハウ・知識をまとめて記してあるほか、「よくある相談事例」に時系列的に対処していくケース解説など、インターネットに対して特別な知識を持たない多くの弁護士にとっても、非常に分かりやすい本に仕上がっています。
私も、やはり、日頃おつきあいさせて頂いている企業の方、あるいは、個人でビジネスをされている方と話すと、多くの方がネット上での風評被害を意識されています。
私も相談を受ければその都度色々調べてアドバイスや対処をしてきましたが、インターネット上の問題はそもそもグレーな領域も多く、もやもやの残る点がたくさんあったのですが、この本を読んで疑問が解消された点がありました(逆に、「ああ、やっぱりこの分野の第一線の弁護士から見ても曖昧な領域なんだ」と分かった部分もありました)。
ネットだからと言っても、人の迷惑を顧みずに「言いっ放し」「書きっ放し」ということは良くないことだと思います。
ただ、モラルの問題を訴えても、実際に起こったことに対処できなくては、害が続いてしまいます。
そうそう、よくインターネットの「匿名性」と言われますが、この本では「インターネットには完全な意味での匿名性は存在しない」というのが法的対処を行ううえで一番重要な知識であると書かれています。
簡単に言えば、ネット上で行動には必ず足跡が残る、ということですが、じゃあ、その「足跡」ってどんな形をしていて、どういう風にすれば見えるの?追えるの?という疑問にも、この本は答えてくれます。
私も自分がこの種の相談を受けたときなどにこの本を活用しようと思いますし、また、弁護士以外の方でも、ネット上での困った書き込みに対してこんな方法があるということを知ることは良いことだと思います。
(全く面識ありませんが一方的に)著者の先生に感謝したい一冊です。
神戸シーサイド法律事務所 弁護士 村上英樹