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商事法務「電子契約導入ガイドブック」 [法律案内]


電子契約導入ガイドブック[国内契約編]

電子契約導入ガイドブック[国内契約編]

  • 出版社/メーカー: 商事法務
  • 発売日: 2020/08/18
  • メディア: 単行本



 所属する神戸シティ法律事務所のオンラインセミナーで、私が電子契約を担当したことから、電子契約関係については、雑誌の記事や新刊をチェックしています。

 この本は、実際に、これから社内で電子契約を導入しようとする企業向けの実践に向けた本です。
 これからは「実践本」が続々刊行されると思いますが、今のところ、類書はまだないと思います。

 電子署名の仕組みの解説や、電子署名法についての解説も丁寧に書かれています。
 
 私が特に勉強になったのは、この本の「Chapter2 実務編ー社内調整の進め方」です。
 具体的に、電子契約導入の「トライアル」から始めて、トライアルの中で必要なチェックポイントをつぶしていこう、と書かれています。
 チェックポイントについて、電子帳簿保存法への対応(文書保存方法)、個人情報の取り扱い、社内規定、契約ひな形の見直しなど具体的に10項目が詳しく解説されています。

 私が理解するところ次の通りです。
 まず、会社のトップが電子契約導入に向けて意思決定しなければはじまりません。
 そして、会社の各種規定やシステムを電子契約にあわせて完全に整備してからはじめて導入するというのでは、実際上いつまでたっても導入できません。
 なので、導入のための「トライアル」を、まず、部署、契約書の種類、期間をある程度限定して行い、「走らせながら」社内体制や規定を整備し、特に法的なチェックポイントを確認していく、というプロセスを踏む。
 そして、全体に本格導入するための体制を整備できれば、本格活用できる。
 会社として一つの「プロジェクト」になりますが、プロジェクトを貫徹し本格導入の暁には、

電子契約のメリット
 業務効率化、コスト削減、働き方改革への寄与
 コロナ・自然災害などの非常事態への対応(BCP)
 不正の防止・チェックしやすさ(コンプライアンスへの寄与)

が享受できるはずです。
 
 私も、今年から、以前より規模の大きい弁護士法人という組織に入って、社内でのシステムに新しいものを導入することがなかなか「一仕事」であることを実感しました。
 なので、この本のように、電子契約導入に向けて具体的な項目、道筋を示してくれる本の存在のありがたさもよくわかるようになりました。

 電子契約導入に興味のある、会社のトップの方、あるいは法務担当者の方にはお勧め(特に、Chapter2の内容)します。

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