SSブログ

「親も子もハッピーになる最強の子育て」(小川大介さん著) [だから,今日より明日(教育)]

 私の大学時代の先輩である小川大介さんの著書を読みました。
 
 先輩というのは,京大法学部の先輩でありますが,私にとっては,私がアルバイトしていた阪神間の大手進学塾の講師の先輩としての意味が強い,そういう「先輩」です。
 

親も子もハッピーになる最強の子育て

親も子もハッピーになる最強の子育て

  • 作者: 小川 大介
  • 出版社/メーカー: ウェッジ
  • 発売日: 2018/10/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 昔と違って,夫婦共働きの家庭が増えました。
 
 専業主婦のように子どもにべったりと時間をかけられない中で,それでも,「子育て」はやらなければならないことが多い。
 そこにどう向き合うか?というテーマは,多くの人に共通のものでしょう。

 この本の発想は,

「父も母も忙しく,子どものことに関わる時間が足りない」

ことをマイナスと捉えるのでは無く,むしろ,「子どもの自立を促すチャンス」と捉えよう,という前向きなものです。

 「子どもの自立を促す」とは具体的にどうやって?

 ここが詳しく「実際にこうやる」というところまで,つまり,家庭のリビングで父母子がどのような行動をするか?という絵が見えるところまで丁寧に書かれていました。

 私も子育ての経験がありますが,やはり,

「子ども自身が自立して,自分で課題を選んで勉強をする」
「生活そのものについて,遊び,勉強,他の活動,それを自分で計画立てて行う」

ことができるように,ということが大目標です。

 ただ,言うは易く。
 色んなことについてやはり「大人がやってあげたほうが早い」ので,「自分でできるようになる」ための見守り・声かけ・バックアップは,根気がいることで,また,ある程度親の方が覚悟を決めて「やりきる」(実際には,大人が代わりに「やらない」ことを貫徹すべきことが多いのですが)必要があります。
 
 「やりきる」といっても,人はパーフェクトではないので,仕事で忙しかったりするとつい難しくなります。
 また「やりきる」ためには,具体的に何をすべきか?どうやったら子どもを自立に導けるのか?について,自信が無いと難しくなります。

 ここが,この本です。
 私の印象に残った点を3つ。

1 「時間の感覚」

 子ども自身の「時間の感覚」を育てる,ということ。

 その日の小さな計画(勉強でも,遊びでも,テレビでもいい。「何時から何を」)を「自分で決めて実行する」から一歩一歩やれば,だれでもできるようになる,とのことです。

 当たり前のようですが,中高生でも大人でも気づけば「時間に流されている」「他人に流されている」ことがありますね。
 
 「自分の時間を決めて,悔いなく過ごす」ことの充実感,幸福感を子どものうちからしっかりかみしめて育ってくれれば,かけがえのない命(=自分の時間)を充実したものにできると思います。

 もちろん,「学業成績をアップさせる」という意味でも,自分の「時間の感覚」がある子は滅茶苦茶に強いです。これは,私が学生時代,小川さんと一緒の塾で働いていたときに子どもたちを沢山みるなかでの確信です。

2 「体の動き」を教える

 たとえば,学校から帰ったらすぐ宿題をしなさい,と言っても,何度言っても「やらない」「できない」は親共通の悩みでしょう。

 小川さんのメソッドによれば,ここは「口で何度もいう」のでなくて

玄関,リビング,勉強机での体の動き

を細かく(おそらく大人も一緒になってやってみて),子どもに「こうすればできる」を伝える,のだ,ということです。

 実際に本の中には,学校から帰る~宿題終わりまでの手順を12項目に細かく分解して図解されています。

 本質は,「子どもの視点まで一回おりてみる」ということ,そうであって初めて伝わる,ということのように思います。

 私の経験でも「言っても言ってもやらない」はよくわかります。
 そのときは親の時間もかかるが,一度「一つ一つの動きまで」レベルで向き合って,一旦,子ども自身の良い習慣がつけば,親として「後がとても楽」というのも経験上知っています。

 この本で「やり方」を知れば,多くの人が,親としてそれを「やりきる」自信がつくと思います。

3 「叱る」の原則

 親子とというのは感情コントロールが難しいですね。

 実際,私の子どもに対する経験でも「叱る」「おこる」,自分が一体何をどうしているのか,よくわからないまま子どもに向き合っていることがありました。

 この本では,「叱る」は6秒数えてから,と書かれています。

 その心は次の通りで,「叱る」ときにまず一番大切なことは,

親が自分の感情を理解する

ということ,そのうえで,「何を言うか」というステップにいくべき,とのこと。

 私もこの点は色んな本で勉強しました。(ビジネスシーンなどでの)怒りのコントール,スポーツ中のメンタルコントロール,マインドフルネスなどで共通することで,

怒りの感情など,わいてくる感情そのものは消せないし,仕方ない

のですが

自分の中にある感情に気づいているかどうか

で,色んなことが大きく異なってきます。
 簡単に言うと「怒りの感情に気づく」時点で,既に,感情の渦の真ん中からは脱しています。
 感情にまかせてバーンとやって,あとで後悔する,というパターンから抜け出すチャンスを得ています。

 さらに,小川さんは,「叱る」にも,うまくいく叱り方がある,そのコツを本の中で紹介してくださっています。


 その他にも,子育ての中で重要なターニングポイントとなる時期,例えば「小4の壁」をどう乗り越えるか,など,現代の親が知りたい内容が盛りだくさんです。

 
 この本は,多くの親御さんの助けになる。親子の愛が良い形で未来につながっている助けになると思います。

 特に共働き夫婦,ということですが,そうでなくても(専業主婦の家庭でも),あらゆる子育て家庭にお勧めの本です。

nice!(4)  コメント(0) 

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。