今年もお世話になりました。 [弁護士業について]
今年もあっという間に年の瀬を迎えました。
私の所属する神戸シーサイド法律事務所も今日が仕事納めになります。
今年は3月に兵庫県弁護士会の副会長職を任期満了により終えました。
弁護士業務の方は平常時のペースに戻ってきましたが、単に元に戻すのではなく、自分の仕事のスタイルもこれまでより洗練されたものにしていきたい、と思いながらやっています。
弁護士の場合は、世の中の色んな状態の人、色んな事象(これは、常識感覚から見ると、困難なものも多い)に対応するという「幅の広さ」と、仕事における秩序・正確さ・迅速さという「精度」のようなものと、これをいかに両立させるかということが課題になります。これを痛感します。
きっと多くの弁護士が同じだと思います。
2人の弁護士のあり方を例に挙げます。
まずA弁護士。
この弁護士は、何とか困っている人の助けになりたいと思う気持ちが強い。
たとえ、見通しが立たなくても、不安要素があっても、できるだけその仕事をやろうという気持ちになります。
しかし、実際にその仕事をやると、裁判所などの第三者からみたときの客観的根拠の乏しさ(確立された判例がない、ハッキリ書いた証拠が無い)ことに悩み、時には第三者から「根拠の無い」仕事をする、と非難されます。
次にB弁護士。
自分が受けた仕事は必ず責任をもって所期の目的を達することにプライドを持っている(ゴルゴ13のようなタイプ)。
依頼人が、あやふやな態度であったり、隠し事をしたりすることは許さない。そのような依頼人の仕事は請けない。
また、確実に所期の目的を達するという見通しがなければ事件を受けない。
仕事は限られるが、受けたものは確実に遂行する。
如何でしょう。
あなたはA弁護士とB弁護士とどちらが好きですか。
実際には、イメージとしては、大半の弁護士は、A弁護士とB弁護士ほど極端ではなく、A弁護士的要素とB弁護士的要素を両方持ち、また、その間で自分の在り方を模索しているのだと思います。
「自分の在り方を模索」というのすが、これをぼんやり考えると、若い頃「A20B80」だった人が、経験を積み「A70B30」だった時期を経て、「A50B50」のバランスに至る、というイメージになります。私も何となくこういうイメージを持っていました。
しかし、だんだん、相反する・矛盾する考え方や感覚を「併せ持つ」、ということを「意識的に」考える必要があることが分かってきました。
「意識的に」やると、A弁護士的要素とB弁護士的要素との「いいとこ取り」が出来るようになるのではないか、と。
うまくすれば、いいとこ取りをして、先の数字(「A50B50」など)と対比して言えば、「A80」と「B80」とを併せ持ち、いつでも適宜引き出せるようになる。これは強い!
こういうイメージが私の今思う、弁護士としての「洗練」です。
日々一歩ずつでもその域に近づくよう努力したいと思います。
趣味の世界では、今年は約7年ぶりに弁護士会の野球チームに復帰しました。
私は弁護士登録約15年ですが、最初の8年くらいは毎週野球チームの練習や試合に出ていました。
しかし、その後、仕事や私生活、他の趣味に没頭するなど色々の事情があって、最近は5年以上、野球チームから遠ざかっていました。
一旦遠ざかるとグラウンドに立つことさえ億劫になるものです。
また、一時は運動不足で、肩こり・腰痛などの不快感に悩む時期もありました。
そうしたところ、2年前に、昔指導して頂いていたトレーナーの先生が主宰されるジムが神戸に出来たことから、ジムに通うようになりました。
ジムでトレーニングをしてだんだん身体が動くようになってくると、「投げたり、打ったりしてみたい」気持ちが湧き出し、チームに復帰できました。
復帰(ほぼ)元年となった今年は、子どものように無邪気に球を追い、バットを振っただけで、チームの戦力には余りなっていません。せいぜい、声を出して、チームの雰囲気を良くすることができたかな、というくらいです。
来年は、草野球なりにも、野球の醍醐味を味わえるように、打撃・守備とも自分なりに「洗練」していきたい、そうできたら楽しいだろうなぁ、と思っています。
年齢によって速さには違いがあっても、また、スタートラインがどこにあったとしても、自分なりの「進歩」は喜びです。
趣味・レクリエーションなどに対する考え方も、歳とともに変わってきました。
若いときは成績などで「目立つ」ことに気を取られがちでしたが、やっぱり、趣味は、自分自身の喜び、充実感、明日への活力に繋がることが大切と。
以上のようなことを考える今年の年末ですが、今年関わりのあった皆様、大変お世話になりました。
来年もご指導ご鞭撻宜しくお願い申し上げます。
弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所)
私の所属する神戸シーサイド法律事務所も今日が仕事納めになります。
今年は3月に兵庫県弁護士会の副会長職を任期満了により終えました。
弁護士業務の方は平常時のペースに戻ってきましたが、単に元に戻すのではなく、自分の仕事のスタイルもこれまでより洗練されたものにしていきたい、と思いながらやっています。
弁護士の場合は、世の中の色んな状態の人、色んな事象(これは、常識感覚から見ると、困難なものも多い)に対応するという「幅の広さ」と、仕事における秩序・正確さ・迅速さという「精度」のようなものと、これをいかに両立させるかということが課題になります。これを痛感します。
きっと多くの弁護士が同じだと思います。
2人の弁護士のあり方を例に挙げます。
まずA弁護士。
この弁護士は、何とか困っている人の助けになりたいと思う気持ちが強い。
たとえ、見通しが立たなくても、不安要素があっても、できるだけその仕事をやろうという気持ちになります。
しかし、実際にその仕事をやると、裁判所などの第三者からみたときの客観的根拠の乏しさ(確立された判例がない、ハッキリ書いた証拠が無い)ことに悩み、時には第三者から「根拠の無い」仕事をする、と非難されます。
次にB弁護士。
自分が受けた仕事は必ず責任をもって所期の目的を達することにプライドを持っている(ゴルゴ13のようなタイプ)。
依頼人が、あやふやな態度であったり、隠し事をしたりすることは許さない。そのような依頼人の仕事は請けない。
また、確実に所期の目的を達するという見通しがなければ事件を受けない。
仕事は限られるが、受けたものは確実に遂行する。
如何でしょう。
あなたはA弁護士とB弁護士とどちらが好きですか。
実際には、イメージとしては、大半の弁護士は、A弁護士とB弁護士ほど極端ではなく、A弁護士的要素とB弁護士的要素を両方持ち、また、その間で自分の在り方を模索しているのだと思います。
「自分の在り方を模索」というのすが、これをぼんやり考えると、若い頃「A20B80」だった人が、経験を積み「A70B30」だった時期を経て、「A50B50」のバランスに至る、というイメージになります。私も何となくこういうイメージを持っていました。
しかし、だんだん、相反する・矛盾する考え方や感覚を「併せ持つ」、ということを「意識的に」考える必要があることが分かってきました。
「意識的に」やると、A弁護士的要素とB弁護士的要素との「いいとこ取り」が出来るようになるのではないか、と。
うまくすれば、いいとこ取りをして、先の数字(「A50B50」など)と対比して言えば、「A80」と「B80」とを併せ持ち、いつでも適宜引き出せるようになる。これは強い!
こういうイメージが私の今思う、弁護士としての「洗練」です。
日々一歩ずつでもその域に近づくよう努力したいと思います。
趣味の世界では、今年は約7年ぶりに弁護士会の野球チームに復帰しました。
私は弁護士登録約15年ですが、最初の8年くらいは毎週野球チームの練習や試合に出ていました。
しかし、その後、仕事や私生活、他の趣味に没頭するなど色々の事情があって、最近は5年以上、野球チームから遠ざかっていました。
一旦遠ざかるとグラウンドに立つことさえ億劫になるものです。
また、一時は運動不足で、肩こり・腰痛などの不快感に悩む時期もありました。
そうしたところ、2年前に、昔指導して頂いていたトレーナーの先生が主宰されるジムが神戸に出来たことから、ジムに通うようになりました。
ジムでトレーニングをしてだんだん身体が動くようになってくると、「投げたり、打ったりしてみたい」気持ちが湧き出し、チームに復帰できました。
復帰(ほぼ)元年となった今年は、子どものように無邪気に球を追い、バットを振っただけで、チームの戦力には余りなっていません。せいぜい、声を出して、チームの雰囲気を良くすることができたかな、というくらいです。
来年は、草野球なりにも、野球の醍醐味を味わえるように、打撃・守備とも自分なりに「洗練」していきたい、そうできたら楽しいだろうなぁ、と思っています。
年齢によって速さには違いがあっても、また、スタートラインがどこにあったとしても、自分なりの「進歩」は喜びです。
趣味・レクリエーションなどに対する考え方も、歳とともに変わってきました。
若いときは成績などで「目立つ」ことに気を取られがちでしたが、やっぱり、趣味は、自分自身の喜び、充実感、明日への活力に繋がることが大切と。
以上のようなことを考える今年の年末ですが、今年関わりのあった皆様、大変お世話になりました。
来年もご指導ご鞭撻宜しくお願い申し上げます。
弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所)
2015-12-28 12:06
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コメント(3)
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shiraさん、心如さん、Ujikiさん
ナイスありがとうございます。
by hm (2016-01-19 17:23)
医療や教育などでも似たことが言えますが
利用者側からみたらどちらも必要な存在です。
個人的には個々の尊重意識が高く受け止めてくれる人にしっかりした力のある人が全面的に支えるコンビがうれしいような。
A弁護士 B弁護士のコンビがよさそうかもしれません。
by ayu15 (2016-05-17 11:28)
ayuさん
良いコメントありがとうございます。
まさにその通りです。
二人以上が共同受任するときなど、書かれているような役割分担ができれば一番いいですね。
一人がスーパーマンになることは難しいですから。
by hm (2016-05-20 17:17)