5年間のロースクール勤務を終えました [司法試験]
この3月で、5年間勤務してきた甲南法科大学院の勤務を終えました。
基本的に、週に1コマのゼミの担当でしたが、色んな院生さんたちと関わり、色んなことを考え、感じました。
弁護士や裁判官、検察官になろうとする人たちが、ちゃんと法曹になれるように、という指導をするわけですが、それは即ち、司法試験に合格するように、という指導でした。
法律を勉強することについて自分なりのコツをある程度は伝達できたかな、と思う反面、個人個人に合ったやり方(それが、法科大学院卒業後3回という受験回数以内の合格に間に合うかどうか含めて)を指導するには力不足もありました。
さて、最後に、甲南に限らず、司法試験を志す人たちにアドバイスすることとすれば、次の5箇条です。
1 法律の体系についてのイメージの筋を頭の中にしっかり持つこと。
即ち、憲法を頂点とする法体系、その下での位置づけとして、各法律の趣旨を骨太にイメージすること。
2 条文、法律や条文の趣旨、出てくる言葉の定義等の基本事項をしっかり頭に叩き込むこと。
3 自分の記憶の鮮明さ、残存する時間を意識しながら、知識を蓄えて、確かめる作業を繰り返すこと。
4 短答式の試験では必ず8割以上の正答を得られると確信できる勉強計画を立てること。
5 日本語を丁寧に扱う。字を丁寧に読みやすく書くこと。きちんと文法に従った文を書くこと。
この5項目がしっかり出来ていない人は合格はかなり厳しく、全部がしっかり出来ている人は基本的に合格の可能性がかなり高いです。
ロースクール生活は、学習内容や課題、授業時間で忙しく一杯いっぱいになるので、人によって、この5項目がしっかり出来ない事態が想定されますが、この5項目は基本です。
いわば、サッカーで、ボールを「止めて、蹴る」ことが正確に出来るかどうか、そういう基本の練習を毎日丁寧にできるか、というようなものです。
どうか、ロースクール生の皆様は、お体に気をつけて、上記5項目を意識して、悔いなく勉強に励んで頂ければと思います。
これからの法曹界は厳しいです。弁護士になっても、儲かるかどうか、どころか、食えるかどうか、分かりません。上記5項目の「3」「4」は試験用ですが、「1」「2」「5」に加えて、新たな法律や判例を常に勉強することは、試験に合格した後も最低限やりつづけなければならぬと思います。
私自身も、弁護士が増えて競争の激しい時代になっても、品のない利益至上主義に走るのではなくて、弁護士の使命に忠実に、憲法が謳う基本的人権の擁護の使命に忠実に、法の精神を尊重して、そして、「僕が見る明日」を皆様にお伝えし続けられるよう、研鑽と努力を重ねていきたいと思います。
もちろん自営業者ですから稼がなければなりませんが、「営業」で稼ぐのではなくて、仕事の質(腕)で稼ぐスタイルを確立しそれを貫いてゆきたい、と考えています。
ともに志を同じくできる法曹のかたを待望しています(同事務所で働く、という意味ではなくて、法曹界そのもに来て下さい、という意味で)ので、ロースクール生の皆様、厳しい時代ですが、しっかり自分のやりたいことに忠実にやりきって下さい。
基本的に、週に1コマのゼミの担当でしたが、色んな院生さんたちと関わり、色んなことを考え、感じました。
弁護士や裁判官、検察官になろうとする人たちが、ちゃんと法曹になれるように、という指導をするわけですが、それは即ち、司法試験に合格するように、という指導でした。
法律を勉強することについて自分なりのコツをある程度は伝達できたかな、と思う反面、個人個人に合ったやり方(それが、法科大学院卒業後3回という受験回数以内の合格に間に合うかどうか含めて)を指導するには力不足もありました。
さて、最後に、甲南に限らず、司法試験を志す人たちにアドバイスすることとすれば、次の5箇条です。
1 法律の体系についてのイメージの筋を頭の中にしっかり持つこと。
即ち、憲法を頂点とする法体系、その下での位置づけとして、各法律の趣旨を骨太にイメージすること。
2 条文、法律や条文の趣旨、出てくる言葉の定義等の基本事項をしっかり頭に叩き込むこと。
3 自分の記憶の鮮明さ、残存する時間を意識しながら、知識を蓄えて、確かめる作業を繰り返すこと。
4 短答式の試験では必ず8割以上の正答を得られると確信できる勉強計画を立てること。
5 日本語を丁寧に扱う。字を丁寧に読みやすく書くこと。きちんと文法に従った文を書くこと。
この5項目がしっかり出来ていない人は合格はかなり厳しく、全部がしっかり出来ている人は基本的に合格の可能性がかなり高いです。
ロースクール生活は、学習内容や課題、授業時間で忙しく一杯いっぱいになるので、人によって、この5項目がしっかり出来ない事態が想定されますが、この5項目は基本です。
いわば、サッカーで、ボールを「止めて、蹴る」ことが正確に出来るかどうか、そういう基本の練習を毎日丁寧にできるか、というようなものです。
どうか、ロースクール生の皆様は、お体に気をつけて、上記5項目を意識して、悔いなく勉強に励んで頂ければと思います。
これからの法曹界は厳しいです。弁護士になっても、儲かるかどうか、どころか、食えるかどうか、分かりません。上記5項目の「3」「4」は試験用ですが、「1」「2」「5」に加えて、新たな法律や判例を常に勉強することは、試験に合格した後も最低限やりつづけなければならぬと思います。
私自身も、弁護士が増えて競争の激しい時代になっても、品のない利益至上主義に走るのではなくて、弁護士の使命に忠実に、憲法が謳う基本的人権の擁護の使命に忠実に、法の精神を尊重して、そして、「僕が見る明日」を皆様にお伝えし続けられるよう、研鑽と努力を重ねていきたいと思います。
もちろん自営業者ですから稼がなければなりませんが、「営業」で稼ぐのではなくて、仕事の質(腕)で稼ぐスタイルを確立しそれを貫いてゆきたい、と考えています。
ともに志を同じくできる法曹のかたを待望しています(同事務所で働く、という意味ではなくて、法曹界そのもに来て下さい、という意味で)ので、ロースクール生の皆様、厳しい時代ですが、しっかり自分のやりたいことに忠実にやりきって下さい。
2009-04-09 15:22
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hm先生、お疲れ様でした。
1~5のアドバイスは、法学部志望の高校生に見せたいと思います。
by shira (2009-04-12 13:01)
shiraさん
ありがとうございます。
高校生のみなさんには、法曹に必要な能力は、論理的思考力と言語能力ですから、数学・国語をしっかりやらねばなりません、とも付け加えて頂ければ、と思います。(何歳になっても遅いということはありませんが、司法試験を受けようと思う以前に、数学・国語をきっちりやれていたら有利なことは間違いありませんので。)
by hm (2009-04-13 13:29)